統覚スキーマ
人間の知覚、認知は、決してカメラ機材一式のように捉える事はできない。その人の自己と世界についての信念が、その人の行動を決める。この世界は、安定した統覚スキーマを通して理解される。経験は受容される前に解釈され、そしてその解釈は、常に生きることへの独自の意味づけと一致している。この意味づけが、たとえ大幅に誤りがあったとしても、また、問題やライフタスクへのアプローチが継続的に不運や災難、苦痛をもたらしたとしても、それを放棄する事は決して容易ではない。個人の経験と統覚バイアスの関係性を否定する事は、1つのメロディーからいくつかの単音を取り出し、それらの価値や意味を調べるようなものである。
統覚とは
認知は「統覚」と「連合」の二段階にわかれた処理である。統覚は、風景などの知覚から形を取り出す働きであり、その形が何であるのかを判断する働きが連合である。統覚とは知覚から何かのまとまりを要約する働きである。
記憶を形成するとき、人はまず何かを知覚する。知覚されたものは、瞬時に人のさまざまな探知装置とプロファイリング装置に送り込まれ、そこで識別され、編集される。
解釈装置がそれをすべてまとめ、つじつまが合うように要約し、記憶の中に整理してしまい込む。
つまり、記憶された内容はすでに非内省的な信念システムによって編集されており、人はそれを真実の情報として引き出して、それに基づいて内省的な信念を形成する。