新興宗教 あの日の欠片
中心教義 天国の再建
多くの宗教が天国の存在を主張する。あの日の欠片 もまた例外ではないが、天国はすでに失われたと考える点で大きく異なる。
いままで人類の前に現れた神の使いは、天国の存在とその門をくぐるための試練を人類に伝え、また、自らが神の課す重い試練の犠牲となることを強いられた。なぜか。神の国たる天国はもはや存在せず、我々が自力でそれを復興させない限り、入るべき天国など存在しないからである。神とは天国の復興の意志を代弁する擬人的存在であり、神が我らに与え給う試練とは、天国再興のために必要な犠牲を意味している。
現世、または天国崩壊の跡地
我々が生きる現世は、肉体から海、砂、風に至るまで、かつて天国を形成していた材質で形成されている。この材質を聖性元素という。現世はすべて聖性元素により形作られている。あの日の欠片 では、聖性元素を正しく組み合わせることで天国を再建することが可能であり、その解明と完成が使命であると考えられている。
聖性元素と犠牲性防腐
正しく形成された天国はその高い守護力により、悩みや苦しみから我らを守る完全な家となる。
しかし天国も現世も等しく、非聖性元素である腐食性元素の出現による崩壊の危機に晒されている。出現する腐食性元素は聖性元素に衝突し消滅させるが、同時に腐食性元素自身も消滅するため、聖性元素が数で圧倒するうちは、腐食の被害は食い止めることができる。このはたらきを聖性元素の犠牲性防腐作用という。
腐食性元素と魂
腐食性元素の出現は宇宙の至るところに見られ、あらゆる場所、あらゆる時点で聖性元素との衝突と消滅を繰り返している。
例外は、空間にできた裂け目からあふれるように腐食性元素が流入する、外壁破孔と呼ばれる原因不明の現象である。この裂け目の出現は、天国に崩壊をもたらしたと考えられている。
外壁破孔からの腐食性元素の流入は長ければ数十年にも及び、流入が停止したあとも、残された腐食性元素が消滅するまでにさらに数十年を要する。裂け目から流入した腐食性元素の周囲には聖性元素との衝突面が球形をなし、激しい反応を続ける。これを魂という。魂は、集まった聖性元素で身体を形成し、生物となる。