現代の世紀末感覚
2024/12/21
今は21世紀の前半だけど、1980年代〜1990年代は世紀末感覚が強かったように思う。自分はサブカル分野しか今のところわからないが、エヴァンゲリオンに代表されるセカイ系は世紀末の感覚を反映したようなものだったんじゃないかという気がする。世代ではないし、大きな物語の終わりだとか色々な方向性での見方があるんだろうけど。
セカイ系ってエヴァや新海誠作品(彼は未だセカイ系にこだわり続けている作家だ)を見れば分かるけれど、世界と君の二者が天秤にかけられていて、これは見方を変えると世界の終わりの感覚があるからこそ生まれたジャンルだとも言える。
『天気の子』は世界が滅びても君を選ぶ、という主人公の強烈な愛が描かれている。だからこそ主人公は自分勝手だとして好みの別れる作品になってしまっているのだろう。
世界の終わりといえば、村上春樹は80年代半ばにそういうのを書いている。時代の空気や気分として世紀末感覚のようなものがあったのかもしれない。彼の短編の「青が消える」とかは逆に世紀が変わり新しい時代を迎えることへの困惑の跡だったりするのかな。まあかなり適当書いてる感じがする。
今も残り香はあるというか、第三次世界大戦が起こるんじゃないかというような不安がネットを見ていると人々の心を淡く覆っているように見える。新型コロナウイルスのパンデミックもそうだし、日本だと南海トラフ地震などの災害への不安だとか、日本が衰退していく(これは確実だろうけど)ことへの不安感や失望のような感覚がある。いやもう残香ってレベルじゃない。
世紀末感覚という言葉自体が微妙だな。世界の終わりの感覚だとか虚無感とかに直した方がよさそう。