くもの巣の小道
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書誌情報
福武書房、1990年
福武文庫、1994年
『蜘蛛の巣の小道』花野秀男訳、白夜書房、1977年
原題 : Il Sentiero Dei Nidi Di Ragno
発表年 : 1947年
内容
少年ピンの視点からパルチザン闘争を描いた長編デビュー作。
自然豊かな山々で繰り広げられる若者たちの殺し合い。変わり者が集まった不安定な大学サークルのようなパルチザン部隊。民話的な語り。
吹き溜まり部隊の面々を中心に、カルヴィーノ作品の中では登場人物のキャラがよく立った作品だと感じる。『マルコヴァルドさんの四季』もけっこうキャラ小説かもだけど。
唐突に挿入される政治委員キムの独白には、その後の作品で多く用いられる移ろいゆく視線がすでにあらわれているように思われる。