貧乏人の経済学
貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄……世界の貧困問題をサイエンスする新・経済学。W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、ランダム化対照試行(RCT)といわれる、精緻なフィールド実験が、丹念に解決策を明らかにしていきます。
はじめに
第1章 もう一度考え直そう、もう一度
貧困にとらわれる?
第1部 個人の暮らし
第2章 10億人が飢えている?
本当に10億人が飢えているのか?/貧乏な人々は本当にしっかり十分に食べているのか?/なぜ貧乏な人々は少ししか食べないのか?(だれも知らない? 食べ物より大事)/結局、栄養摂取による貧困の罠は実在するのか?
第3章 お手軽に(世界の)健康を増進?
健康の罠/なぜこれらの技術はもっと利用されないのか?(十分に活用されない奇跡 健康改善願望 お金をドブに捨てる みんな政府が悪いのか?)/健康追求行動を理解する(無料は無価値のあかし? 信仰? 弱い信念と希望の必要性 新年の誓い あと押しか説得か?)/ソファからの眺め
第4章 クラスで一番
需要供給戦争(需要ワラーの言い分 条件付き補助金の風変わりな歴史 トップダウン型の教育政策は機能するか? 私立学校 プラサム対私立学校)/期待の呪い(幻のS字曲線 エリート主義的な学校制度)/なぜ学校は失敗するのか/教育の再設計
第5章 スダルノさんの大家族
大家族の何が問題か?/貧乏人は子作りの意思決定をコントロールするのか?(セックス、制服、金持ちおじさん だれの選択?)/金融資産としての子供/家族
第2部 制度
第6章 はだしのファンドマネージャ
貧乏のもたらす危険/ヘッジをかける(助け合い)/貧乏人向けの保険会社はないの?(なぜ貧乏人は保険を買いたがらないの?)
第7章 カブールから来た男とインドの宦官たち——貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学
貧乏人に貸す(貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学)/マクロ計画のためのマイクロ洞察/マイクロ融資はうまくいくのか?/マイクロ融資の限界/少し大きめの起業はどうやって資金調達を?
第8章 レンガひとつずつ貯蓄
なぜ貧乏な人はもっと貯蓄しないのか/貯蓄の心理(貯蓄と自制心)/貧困と自制心の論理(罠から抜け出す)
第9章 起業家たちは気乗り薄
資本なき資本家たち/貧乏な人のビジネス(とても小さく儲からないビジネス 限界と平均 起業はむずかしすぎる 職を買う)/よい仕事
第10章 政策と政治
政治経済/周縁部での変化/分権化と民主主義の実態(権力を人々に 民族分断をごまかす)/政治経済に抗して
網羅的な結論にかえて
https://gyazo.com/e9027c6c281566d4ec829f930d1cd809