ハッカー文化
ハッカー文化(ハッカーぶんか)は、抽象的な文化である。かつてはアメリカで多く見られていたが、現在では世界中に広く見られる。技工系の文化であることが多いが、そうでないものも多い。良くコメディ・ジョーク等からの引用が見られると言われることがあるが、それは一般の人についても同じである。その基本的な考えは、ちょっとした工夫をして、大きな発明をする、といったことである。よって、変更でき自由であること、を基本的な方針とするのである。データの破壊を行うクラッカーとは何の関係もない。 ハッカーは、最小の努力で最大の効果を生み出そうとする人々のことである。たとえばコンピュータに没頭して熱心にプログラムを組む者などはハッカーと呼ばれる。技術力の高さは、ハッカーであることと無縁ではないが、そうでないことも多い。ちょっとした思い付きで課題や問題を解決することこそ、ハックと呼ばれることが多いからである。かつては技術的課題だけが対象だったが、差別や不公平の是正、平和の希求、環境問題への取り組みなどに対して、そのような表現を使うことも多い。それらの人々は、アメリカ国内のサブカルチャーへの興味が見られる一方、ある種独特の矜持・嗜好・ライフスタイルを伝統的に引き継いでいる。この文化形態の発生にはコンピュータが欠かせないこともあり、その遷移はしばしばコンピュータ史と不可分である。 ちなみに電子・情報処理技術に傾倒するHackerの他に、工学技術でも電子・電気工作に傾倒する向きをGeek(ギーク)と呼ぶが、これらもいわゆるHackerの一員と見なされる。