倉田剛『論証の教室〔入門編〕』新曜社
哲学研究者の書いた非形式論理学(インフォーマル・ロジック)の入門書。野矢茂樹の『論理トレーニング』より網羅的な本を目指したとのこと。
形式論理学はその目的上演繹しか扱わないのに対し、非形式論理学は学術的な議論のみならず日常的にも使われる帰納の方に多くの書面を割いている。なお、本書での演繹と帰納の定義は高校で習うものとは異なるので注意されたい。 #演繹と帰納 スタートアップ界隈においてビジネスにおける科学的手法が脚光を浴びて久しいが、科学的手法をビジネスに適用するためには、それがどのような論理構造を持っているかの理解が不可欠だろう。第II部「仮説と検証」、第Ⅳ部「帰納」、第Ⅴ部「相関と因果」などは、そうした科学的手法の理解を求めるビジネスパーソンにも推薦できる。