かの有名なあの方法〜「発想法」を読んで学んだこと〜
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かの有名なあの方法〜「発想法」を読んで学んだこと〜
「KJ法」。その言葉とだいたいのやり方は知っていたものの、詳しいことは何もわかりませんでした。
本書は、その「KJ法」なる発想法を考え、編み出した著者による、KJ法について書かれた本です。
KJ法の原典を読むことで、今までのだいたいの方法しか知らなかったぼくの中のKJ法が明確になり、勘違いしていた部分も修正することができました。
KJ法の役割
私自身が自分の必要上から実学的に創りだした、ひとつの発想法を紹介することである。
自分が必要としていたから創り出した発想法。だから実用性もあり、その威力も大きいのだと思います。
まずブレーンストーミング式の情報やアイディアの集積をやり、第二にその結果をKJ法で構造計画に創りあげ、さらにパート法によってその構造計画を手順の計画に展開する。
ぼくは、KJ法はそれ一つで独立した発想法だと勘違いしていました。そうではなく、ブレーンストーミングなどと組み合わせることで一つの体系をなす発想法なんですね。
KJ法が発想法のすべてではないが、KJ法を抜きにしては発想法は成立しないであろう。
発想法の、中核をなす部分。それがKJ法で、集めた多くの情報を統合し、図解することで構造を把握し、一つの形に仕上げる部分こそが、KJ法の担う役割である、と言えます。
おぼろげなアイデアやつかみどころのない多くの情報を、はっきりとした形にしていく。
そんなKJ法ととは、どのような方法なんでしょうか。
KJ法
KJ法の前に行う、ブレーンストーミングとは何なのでしょうか。
その方法は他に譲りますが、幾人かが集まっていろんなアイデアを出し合う一つの方法です。
ブレーンストーミングでたくさんのアイデアを募る。その際に注意すべきことが、
最初に必要なことは、なにを問題にするかという主題をはっきりさせることである。
主題がきちんと共有されていない、つまり出発点が明確に定まっていなければ、終着点もどこにいっちゃうかわかりません。主題をはっきりと共有すること。そこからスタートです。
次に必要なことは、その主題にしたがって問題解決をするために「必要と思われる」事実報告や見解などを、できるだけ吐きだし、共同の財産として集積することである。
ここまでがブレーンストーミングが担う役割。たくさん出てきたアイデアや見解たちをまとめていくときに、KJ法の登場となります。
討論におけるエッセンスを、片っぱしから紙きれに記録する
紙切れとは、名刺大の大きさの紙片。”情報カード”という言葉で表した方がわかりやすいかもしれません。あるいは、大きめの付箋紙も使い勝手がよさそうです。そこに、発言者の内容を「一行見出し」にまとめて記していきます。
紙片にまとめてく作業は、「記録係」を一人決めておき、その人にやってもらいます。この役割を担う人が、なかなか重要であると言えます。
一行見出しを作るときに、「けっして抽象化しすぎるな」、「堅くるしい熟語や術語にこだわるな」、あるいは「できるだけもとの資料の香りを残せ」
発言者の意見をできるだけ残したまま一行見出しにまとめる際には、以上のことに注意する必要があります。これって、なかなかすっとできるようなことじゃないように思います。ある程度のスキルを要すると言えるでしょう。
次の段階は、このようにして記録された紙片群を拡げることである。それには畳もしくは大テーブルなどのスペースに、正月のカルタとりのように自分で見やすい形に、紙きれ同士が重ならないように四角く詰めて並べる。きっちり詰めるより、すこしゆとりのあったほうがよい。
一行見出しの書かれた紙片群を広げることで、出てきたアイデアたちを俯瞰して眺めます。関連がありそうな、内容がどこか通じているようなものたちを一箇所に集め、小グループをつくります。
内容を包みつつ、圧縮化して表現しうる一行見出しを発見すれば、それを新しく別のメモ用紙一枚に書いて、その五枚一組のチームの紙片の上にのせるのである。
その小グループの内容を圧縮して表現し、一行見出しにまとめていき、小グループを編成していきます。
小チームの編成がひととおり終わったら、まったくおなじ手続きで小チーム同士を編成して、いくつもの中チームをつくる。さらに、中チームを集め、同様にして大チームをつくるという手続きを踏む。
このような空間配置が一応できたら、次に、別の清書用の白紙をもってきて、その空間配置が表すものを図解すればよい。
別の用紙に、因果関係が見受けられれば矢印を書いたりしながら図解します。図解して清書するまで行えば、はじめに設定した主題に対する”答え”が、はっきりと、または朧げながら見えてくる段階まで進むことができるのではないでしょうか。
これがKJ法の全容(本書でいう「KJ法A型」)となります。
ここからさらに文章化したり、手順化することで、より主題に対する理解が進むことでしょう。
まとめ
まとめますと、
アイデアを一行見出しの形で紙片に書きつける
アイデアを書いた紙片たちを並べ、俯瞰する
関連しそうなものたちをまとめ、グループをつくる
別の用紙に図解する
がKJ法を行う手順となります。
方法からわかるように、KJ法はいつでも気軽にできる、というわけにはいきません。実際まだ一度も純粋なKJ法というものを試したことはありませんが、一人であれこれ考える際、KJ法を参考にアイデアを吐き出し、一行見出しにまとめ、グループを編成し、図解するということをしてみました。
やってみると、なかいい感じに吐き出したアイデアをまとめることができ、一人の場面にも応用のきく発想法であると感じました。
おわりに
人の脳みそというのは、なかなかスゴい力を持っていると思っています。
その力を引き出せるかどうか。そこにかかっているのではないか、と。
KJ法という発想法を用いたからといって、その力を引き出せるとは限りません。が、ただただ頭の中で考えるよりも多くの刺激を脳みそに与えてくれます。
そういう刺激に反応する形で、脳みそは力を発揮してくれるのではないか。そんな風に感じます。
また一つ、KJ法という脳みそを刺激する方法を手にいれたわけですし、いろんな手を使って脳みそをつつき倒してやろうと思います。
では、お読みいただきありがとうございました。
発行:1967