ねむり
村上春樹 (著), カット・メンシック (イラスト)
#読了 #2020 #202012
★★★★★
フランス人アーティストによるマンガ『眠り (HARUKI MURAKAMI 9 STORIES)』の存在を知って調べているうちに、本書にたどり着いた。
あらすじが面白そうだったのと、上記のマンガの絵が好みでなかったのもあり、こちらを購入。
『TVピープル』に収録されている『眠り』の新バージョン。
冒頭にある「不眠症のようなもの」の「まどろみ」の描写で持っていかれた。
そして、本題の眠れない17日間の話。
眠れない「だけ」の話なのだけど、眠れない「だけでない」話になっていて、とんでもない。
「眠れない」という話がこの世界観に繋がるのは、マジックでも見てるのかな?
死についての記述は本当に恐怖を感じる。
もし死という状況が休息でないとしたら、我々のこの疲弊に満ちた不完全な生にいったいどんな救いがあるというのか?
イラストは、『多重人格探偵サイコ』を洋風にした感じ、と言って伝わるのだろうか。
紙も、たぶん良いものが使われている。
そして、文字が黒ではなく、藍色に近い。
アート作品と言える本になっている。
#小説 #単行本 #イラスト #短編
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覚醒する新世界。目覚めつづける女の不定形な日常を描いた短編『眠り』が、21年ぶりの“ヴァージョンアップ”を経ていま再生する―ドイツ語版イラストレーション、日本版のためのあとがきを収録した、村上世界の新しい「かたち」。
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