100分de名著テキスト『存在と時間』
戸谷洋志
「20世紀最大の哲学書」と称えられながらも、自らのナチス関与のため、激しい批判にさらされた、難解をもって知られる名著である。戸谷氏の鮮やかな解説によって、「近しさ」をここに得た。「存在」の本質を見極めることを通して、人間がその「本来性」を回復するための筋道を考察した解説書であった(ブクログ)。
はじめに 無責任さに抗うために
ハイデガー。1889年、ドイツ・メスキルヒにて生。1976年没。
1927年刊。
存在の意味とは何か
人はなぜ不安になるのか、自分らしい生き方とは何か、なぜ世間の目を気にしてしまうのか
1 「存在」とは何か
短期間で書き上げた未完の大著
既存の哲学を問い直す
「不安の時代」の哲学
忘れられた問いの復活
「存在とは何か」という問いに、どう迫るのか
存在者(ザイエント)
存在(ザイン)
私たち自身を問い直す
現存在(ダーザイン)
人間はどのように自分を理解しているのか (↑ 2022/04/02)
人間のあり方には二通りある
ありのままの人間を分析する
2 「不安」からの逃避
人間を支配する「世人」とは何か
世人(ひと・せじん)ダス・マン
現存在が語っているのは「世人の意見」
「頽落」していく人間
世間話
好奇心
曖昧さ
若きハイデガーが感じた違和感
世人がもたらす無責任さ
悪いのは「みんな」であって、自分ではない
なぜ現存在は世人に支配されてしまうのか
「恐怖」と「不安」の違い
本来的に生きることはできるのか(↑2022/04/03)
3 「本来性」を取り戻す
「死」は誰とも交換できない
死
良心
死の可能性とは何か?
「死への先駆」とは何か
先駆 死の可能性に直面すること
「良心の呼び声」による覚醒
自分の人生を引き受ける
世人としての自己
本来的な自己
「良心の呼び声」に耳を傾ける決意
決意性
投企
自分自身であろうとする決意
「先駆的な決意性」
死→先駆
良心→決意性
責任の主体として生きる
残された課題
4 『存在と時間』を超えて
混乱に投げ込まれた『存在と時間』
ハイデガーによるナチスへの加担
ハイデガーの空回り
戦後の哲学者たちからの応答
露にされたハイデガーの行動記録
アーレントからの反論 「仲間」からの切断
「複数性」を発揮していく「活動」
ヨナスからの反論 何を決意するべきか
子どもへの、そして未来への責任
『存在と時間』を両義的に読む(↑2022/04/04)