不信の停止
不信の停止(ふしんのていし)または積極的な不信の停止(英語 willing suspension of disbelief)とは人が作り話を鑑賞するとき、懐疑心を抑制し、それが現実ではないことを忘れ、創作された世界に入り込む様子を指す。
イギリスの詩人で批評家のサミュエル・テイラー・コールリッジが『文学評伝』(1817)の第14章で用いた「不信の自発的停止(willing suspension of disbelief)」という言葉に由来するもので、演劇や小説に描かれたフィクションのなかの「真実」を観客や読者が一時的に受け入れること。コールリッジは詩を語る際、想像力によって生まれた超自然的あるいはロマン的な登場人物に対して読者が一時的に喜んで不信を宙づりにするように詩人は工夫をしなければならないとした。(中略)フィクションをフィクション(嘘)と知りながらリアルなもの(真らしいもの)として受けとる不信の宙づりは、リアリズムあるいはイリュージョニズムの成立する基本的条件とみなされた。
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