2026/0527 エマニュエル・トッド他『2030 来るべき世界』(2026, 朝日選書)
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対談集のような『2030 来るべき世界』の前半を読んだ。
冒頭のトッド氏の日本講演が、まるで『西洋の敗北』の部分要約のようだ。そのうえで三牧氏が、「日本の核保有は合理的か?」と論戦を挑んでいる。三牧氏はアメリカへの日本の過剰な忖度に同意しつつも、核武装論には与しないとしている。
続く議論でトッド氏が述べた、「アメリカに『ノー』と言い、反応を見ればいい。それが日本の可能性を拡げる」はそう思う。そこを超えなければ日本は仲介国になれず、ましてやまともな核議論はできないだろう。「ノー」と「日本的曖昧さ」の合わせ技が、日本を真の仲介国に押し上げると思う。
対談の結びのトッド氏の言葉が重い。
「日本は勝者だった国アメリカの崩壊に直面している。これにより日本は、自由になることを強制されるのです」と。
1945年の敗戦後、日本を柔らかく占領した大国が揺らぐなか、AIとグローバリズムが新たな宗主勢力のように迫る。日本の行く先が見えない。
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『2030 来るべき世界』には、広島大学の越智学長とエマニュエル・トッドの対談もある。
ポイントは、人口減で戦争の動機が弱まる一方で、衰退する大国の暴走にどう対処するかの部分だろう。トッド氏は、「核兵器はなくせない。無制限の拡散を避けつつ、核兵器と共存する」とまで述べている。
共存の背景には「核の非対称より、恐怖の均衡の方がまし」という考えがある。当然、越智学長は同意できないとして、どうすれば核廃絶が可能かを問う。トッド氏は「自分の存命中に不可能なことには答えない」としている。日本は、核の均衡で現実問題に対処すべき、ということだろう。
人口類型の核家族型は「宗教ゼロ」を招きやすく、日本の直系家族はなりにくいとした上で、「米国に追随する日本のナショナリズムは空想」だという。本来のナショナリズムなら米国ベッタリにはならない、ということだろう。
宗教はおろか、左派も右派も「ゼロ」になりかねない。大変な時代だと思う。
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