2026/0526 稲田豊史『本を読めなくなった人たち』(2026, 中公新書クラレ)
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稲田豊史『本を読めなくなった人たち』を読んだ。本の意味、本に対するイメージがこれほど多様だとは。
「本を読めなくなった」のは、スマホに時間を奪われたからだと思った。紙の本が高級ワインになり、ラテン語化するのも間違いない。あらためて、自分は本好きの読者ではないと気付いた。
スマホに時間を取られタイパ重視の結果、「考えなくてすむことにしか金を払わない」。これは政治にも通じる。
中高年男性ではない、パキッとした女性である、最低限のことしか言わない。つまり選ぶのが簡単で、タイパがいい。語らないことが価値を高めている。彼女はまさに現代日本の象徴だろう。
『華氏451』には焚書への抗議があった。スマホなら焚書の手間も反抗も起きない。ただの便利な「黒い板」が、究極の高タイパでその世界をもたらした。
本が事実上社会から消えるなら、書く人も稀になる。AIは究極の堂々巡りになる。知の理解より、知の生産が停止した世界が恐ろしい。