2026/0613 オリベル・ラシェ監督『シラート』
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スペイン映画『シラート』を観た。
恐い映画だった。子どもが乗ったバンが突然、山道をバックしはじめた瞬間「ウワッ!」と声が出た。だが、終盤にシラートが姿しはじめると、恐怖は極限状態を呈する。「シラート」とはイスラム教の概念で、この世と死後の世界をつなぐ極細の道を指す。
レイヴ(ダンス音楽イベント)を渡り歩く若者たちは、苦難にもジリジリと歩みを進める。律動的な激しい音が、彼らを駆り立てる鼓動のようだ。その意味で爆音は、神聖化された悪魔の象徴だろう。悪魔の槍で追われた先にある細く尖った道は、分断し攻撃性を高めた現代の暗喩としか言いようがない。
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爆音がデジタル音源であることが、プラグが抜かれれば瞬時に途絶する現代社会を示唆していた。人類はシラートを踏む前に悪霊を鎮める必要がある。だが、プラグを抜くことはできない。
「本当の地獄はこれからだ」こそが本作のメッセージだろう。だからこそ、この映画の結末は本当に恐ろしい。