2026/06/18 濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』
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パリ郊外の施設で理想の介護を模索するディレクターのマリーと、演劇を通じて自身の境界を越えようと奮闘する演出家の真理。二人の出会いと別れを通して、より良く生きるとは何かを問う作品だった。 映画のなかに演劇が置かれ、二人がそれぞれに自身と世界の関わりを語る構成が印象的。資本主義が外部と環境の収奪によって成り立つという視点を含め、全体としてかなり説明的だが、構造から離脱しようとする二人の歩みが語りに重なり、「不可能なことが可能になる」希望が静かに試されていた。 後半、「生きているいまは死への準備」という真理の言葉が、悲しくも静かに輝いていた。人生と世界がバタンと終わらないように、自分も良く生きて行きたいと思った。