2023/0331 カズオ・イシグロ版『生きる LIVING』
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カズオ・イシグロ
脚本
版
『生きる LIVING』
を観ました。
黒澤明
監督の
『生きる』
に比べ、主人公がどこか明るい。
志村喬
の
役人
がいかに常人離れしていたかと改めて思った。雪降るブランコで
「七竈の歌」
を歌う
ビル・ナイ
よりも、どうしても
「恋せよ乙女」
を口遊む志村喬に心を奪われる。
しかし、原作の『生きる』を体験した者がその思いを断ち切れないのは、それが
日本人
が作り演じた
邦画
だからではないだろう。
通夜振る舞い
の光景や、
悔やみ
、
慕い
、
惜しみ
つつも
改心
できない登場人物たちの姿に、個人の
回心
よりも
歴史文化
、つまりは
空気
に寄り添う我が身を思うからだと思う。
構成
の違いもある。
原作
に比べ本作では新入りの
役人
ピーターが
溌剌
と描かれている。マーガレットとの
恋
もある。
カズオ・イシグロ
は脚本執筆の前
『クララとお日さま』
を脱稿した。そこには優しく謙虚に人間に寄り添う
ロボット
がいた。
歴史文化
を
未来
に寄り添わせるのも、悪くない
希望
だと思った。
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原題:
Living
cf: Wikkipedia
監督:
オリヴァー・ハーマナス
主演:
ビル・ナイ
エイミー・ルー・ウッド
アレックス・シャープ
制作:Pイギリス P2022
分類:Cドラマ Cヒューマン