無限と断片
着想を紙の上に、あるいはアウトライナー上の一項目に書き留めるとき、それは一つの形を与えられる。言い換えれば、無限性を剥奪される。 それが、頭の中にあるうちは、無限性をまとっている。サイズ、可能性、価値は定量不可能な状態にある。それは万能感にもつながる。 ひとたび、それを断片化すれば、たちまち無限性は消え去り、どうしようもない有限性が立ち現れてくる。だからこそ、私たちは形ある何かを生み出すことができる。無限性にとらわれたままではそうはいかない。
しかし、断片化することは、単なる可能性の袋小路ではない。なぜなら、すべては断片なのであり、無限に近い断片がこの世界を作り上げているのだ。