構造を構成する断片の種類
奥出は『思考のエンジン』の中で、テッド・ネルソンを参照しながら、テキスト操作に関する要素を列挙している。曰く、思いつき、走り書き、短い文章、パラグラフ、プロット、論旨、アイロニー、テーマ、筋書き、概念、原理、etc…。 これらの要素は、たしかに文章を構成する要素ではあるが、その関与のスタイルは均一ではない。本文に直接使われるものもあれば、構成を考えるときに使われるものもある。しかし、その文章について私たちが頭をめぐらせるとき、これらの要素は区別なく湧き上がってくる。これをいかに扱うかが非常な(あるいは常なる)問題なのだ。あくまで均一に扱うのか、それとも初めから別のものとして扱うのか。それとも第三の選択があるのか。
断片の性質について、我々はもっと関心を持った方がよいだろう。 初出:2016.Dec.31