断片の数
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断片の扱いにおいて問題となるのは、その自由さだけではない。数の多さもまたやっかいな問題を生じさせる。特に自由形断片であれば、その傾向はより強く生じる。
断片の数は、時間の経過と共に増加していく。それも際限なく増加していく。
もし時間が経っても、断片の数が150以下に収まるのであれば、いくら断片が自由さを持っていてもそれほど困ることはない。小さな村の村民が、お互いの顔を覚えているようなものだ。脳はそれぞれの断片の状態や関係性を把握できる。が、断片の数は多く、しかも増え続ける。
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脳は断片の状態を管理できない。どんな断片があるのか、それらはどんな状態なのか、何とリンクしているのかを把握しておけない。しかし、実際のそれは脳内でこそ生じる。ここにジレンマがある。脳内で管理しきれないからこそカードによる外部化を行うわけだが、数が増えるとそれを脳に戻せなくなる(比喩的な意味で)。
そこで、いくつかの指針が必要になる。数をどう扱うのかについての指針だ。増やしても大丈夫な体制を整えるのか、増やさないようにするのか。そうした指針がないと、断片に押しつぶされてしまうだろう。
初出:2017.Mar.29