断片はなぜ断片か
断片は、もしそれ自身しか存在しなければ、それは断片とは呼ばない。全体である。つまり、断片という呼称は、二つの存在を前提とする。断片よりも上位にある「全体」と、その断片と位置・位相を同じ苦する、他の断片である。 断片は、一見独立・孤立しているように思える。しかし、断片が断片たりうるのは、全体があるからであり、他の断片が存在するからなのだ。それは、断片=Flagmentが「かけら」と呼びうることからも支持される。「かけら」は、何かからかけてうまれる。つまり、全体的である。
よって、私たちは、認識を改めなければいけない。断片は孤独ではない、と。それは常に全体を指向しつつ、つながりを求めるものなのだ、と。
初出:2017.Jan.08