Material/ industrial feather waste
この記事は、廃棄処分される予定であった「フェザー」(羽毛布団などに使用されている羽の芯があるもの)を何かで活用できないか?と考え、ハンドメイドテディベアの素材として試用してみたレポートです。
これからのモノづくり、そして素材に対する意識を強めたり、より良い作品が生み出せるアイデアのきっかけになれれば幸いです。
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(左:フェザー 右:ポリエステル綿)
今回使用した「フェザー」
羽毛布団など羽毛製品を回収し洗い直してリサイクルを行う取り組みのなかで、最終的に使い切れず捨てられてしまう分の芯のついた羽。
使用した材料
本体生地:モヘヤ(少し目地粗め)
足裏生地:ミニチュアファー
詰め物:フェザー約46g
(頭部23g・下半身17g・上半身6g)
ジョイント:首のみ・プラスチックジョイント
使用感
初回はまず綿の代替品として直接詰めて試作。
率直な感想は、毛が飛び舞うのが一番大変。
デメリットが気になる反面、今までになかった感触のベアを作ることができるのが、作家として選択肢が増えて良い。
形も綿・木毛同様維持できそうなため、今後ひとつの材料として出回ってもいいのではと思う。
良いと感じた点
芯が硬いため単体で使うには薄い生地は向かないが、テディベア用のモヘヤ生地であればしっかりしたものが多いため、相性は良いと思う。
木毛に比べ柔らかく、潰れてもある程度反発して膨らむ。
ポリエステル綿に比べ、繊維同士が絡まらないのでぎゅっと詰めた時にダマになりにくいので意外と初心者向けかも?
触り心地が木毛と綿の中間のようで面白い。
土に還る。
使いにくい点
毛が飛び舞う。皮膚が少しかゆくなるかも?
毛が舞わないように気を使ったり、毛が絡まらないため少しずつしか詰められず、綿に比べて時間がかかる(体感2倍くらい)。木毛よりも詰めづらい(回数を重ねれば慣れるかも)
袋や箱の中で、カンシを使用して詰めるのが今回は詰めやすかった。
集塵機があるとやりやすそう。
触っているうちに、羽の芯が生地の隙間からチクチク出てくる(ピンセットで簡単に抜ける)
ポリエステル綿との重さ比較
重さ比較:同じ型紙で、手の感覚で同じくらいの固さになるよう作った結果
フェザー 約46g(頭部23g ・ 胴体23g)
ポリエステル綿 約32.3g(頭部16.4g 胴体15.9g)
この結果から思ったこと
ポリエステル綿にもよく膨らむものとそうでないものがあるが、今回はテディベア用として販売されているものを使用。頭部はしっかり固めに、胴体は柔らかめになるようそれぞれの素材を詰めてみた。
フェザーよりもポリエステル綿の方が軽い結果になったのは、芯があるフェザーよりも繊維が細くて均一・柔軟な綿の方が、小さいぬいぐるみの複雑な形を作る上で適していたのかもしれない。
ただしぬいぐるみの重量は好みであるため、軽い方が良いというわけでもない。この違いも素材を選ぶ要素として楽しい部分だと思う。
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フェザーベアで今後検証したいこと
①生地から芯が飛び出るため、子供のおもちゃには不向き。綿と混ぜると解消できるか?生地を二重にするか?
②保温効果に注目して、湯たんぽベアを作りたい(上記の問題を解決しなければならない)
③ふわふわに仕上げるには?(布団であれば羽毛に混ざっている)軽くて形が維持しやすい点を活かしたデザインができそう
④Tシャツのようなニット生地で試す
⑤他の詰め物との相性(綿、ペレット、ステンレス、鳴り鈴等)
⑥固く詰めた場合の劣化具合
⑦メンテナンスがしづらいのではという懸念
⑧丸洗いできるのか
補足:テディベアによく使われる詰め物の特徴
ポリエステル綿:固くも柔らかくも詰められる(多少の技術が必要)。どこでも買える。軽い。柔らかく詰めれば丸洗い可。柔軟なため子どもが激しく遊んでもベアの形が変わりにくい。
木毛:薄く細くスライスされた木材(緩衝材として使用されるやつ)。かたく詰められる。土に還る。木くずの粉が出る。売っている店が少ない。化繊が主流になる前は木材が主流であった。かたい材質のため、一度凝縮されると戻らない。
ペレット:重りとしてや、くったりとしたベアを作る時に使用される。頭部には使われないことが多い。袋に入れられた状態で本体に入っていたり、直接入れられる場合もある。除湿剤と一緒に詰められることもある。
ガラスビーズ:ガラスの小さい粒。重りとして使用される。粒が小さいため袋に入れて詰める。
ステンレスボール:様々な径のものがある。知る限りではテディベアの詰め物として質量が一番重い。
お問い合わせはこちらから:bearknot.kyoto@gmail.com
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