証明
証明とは、ある命題が、公理と矛盾せず常に成立することを示すこと。 矛盾とは、ある命題Pとその否定命題¬Pとが同時に成立することである。
「AならばBである」を命題Pとすると、「AならばBではない」は命題Pの否定である。
この時、命題Pと命題Pの否定が同時に成立するのであれば矛盾である。
「AならばBである」の対偶は「BでなければAではない」である。 「AならばBではない」の対偶は「BならばAではない」である。
証明には以下のような方法がある。
演繹法: 公理と定理を順番に適用すれば導けることを示す。
三段論法(AならばB、かつ、BならばC、ならば、AならばC)など
数学的帰納法は実はこちら。通常は以下の2つが証明できればすべての自然数について証明できたとされる。
1. 命題P(x)に対して、P(n)が真ならば、P(n+1)も真。
2. P(1)が真。
背理法: 証明したい命題の反対の命題を作り、それが成立すると仮定すると、矛盾が現れること、公理と定理に反することを示す。
反対の命題は必ず完全な反対でなければならない。(Aの完全な反対は not A である。)
命題の結論が2値の場合は反対の命題は単純だが、それ以上になると複雑になる点に注意。
考えられるすべてのパターンの命題を提示して、それがすべて真であることを示す。
すっきりとした証明ではないため、あまりよく思われていない。
帰納法(Induction): 類似する事象を集めてきて、命題を推測する。(これは証明ではなく仮説となる。)
「数学的帰納法」とよく言われるが、これは実際には演繹法。(どこかで間違った用語で定着してしまった)
アブダクション: ある事象に対して普遍的事実を当てはめて、その事象が起きた原因を推測する。(これは証明ではなく仮説となる。)