政府が貨幣をいくらでも造れるなら発展途上国はどうして貧しいのか?
これは「そもそもどうして貨幣に価値が付くのか?」という問題でもある。
例えば、普通の人が貨幣を造ったとしても、まず無価値である。(貨幣そのものに価値がない場合。金貨などは貨幣そのものに価値がある。これは商品貨幣と呼ばれる。) 「貨幣と何かが交換できる」という約束(あるいは期待)ができれば、貨幣に「交換物と同じ」価値が生まれる。
ここから以下が導かれる。
発展途上国で売っているものをその貨幣を使ってどれだけ買いたいと思うか。
為替市場で他の貨幣に対してどれだけの価値が付いているか。(他の貨幣と交換可能なレートはどの程度か)
将来、貨幣価値が高くなるか?
ビットコインを見ればわかるが、実際の商品との取引はほぼ行われず、市場での他の貨幣との交換レートだけで価値が決定している。(将来貨幣価値が上がると皆信じて買うので貨幣価値が高くなる。)
発展途上国の通貨にはそれがないので意図的に買われることがない。
為替市場は貨幣の価値に敏感に反応する。
インフレになる(貨幣がだぶつく)と予想する場合は貨幣は安くなる。
デフレになる(貨幣が不足する)と予想する場合は貨幣は高くなる。
金利が高くなる(景気が良くなる)と予想する場合は貨幣は高くなる。
金利が低くなる(景気が悪くなる)と予想する場合は貨幣は安くなる。