又貸しによる信用創造説は何が間違っているのか?
又貸し方式が正しいとすると、記帳されているお金が単にスライドしていくだけで、実際の取り引きに使われることがない。
見かけの量は増えるが、引き出し不能で、活用不能なお金になってしまっている。
正しい信用創造では、活用できるお金が産み出される。
又貸し説
銀行B1に預金X0を預けると、銀行B1は準備預金率分を差し引いた額X1を貸し出す。
銀行B2に預金X1を預けると、銀行B2は準備預金率分を差し引いた額X2を貸し出す。
銀行B3に預金X2を預けると、銀行B3は準備預金率分を差し引いた額X3を貸し出す。
以後繰り返し
実際にそのような連鎖的な取り引きを行っていない。
この状態では自由に使えるお金を引き出すことができない。(誰かがお金を引き出すと破綻)
担保説
銀行B1から担保X0で現金X1を借りる
銀行B2から担保X1で現金X2を借りる
銀行B3から担保X2で現金X3を借りる。
以後繰り返し
実際にそのような連鎖的な取り引きを行っていることはない。
この状態では自由に使えるお金を引き出すことができない。(誰かがお金を引き出すと破綻)
正しい(実際に行われている)信用創造
銀行B1に預金X0を預けると、銀行B1はX0を準備預金と見なすことができ、(1-準備預金率)*X0の与信能力を持つ。
金利収入の一部も準備預金に振り替えることができる。
銀行B1は、貸し出すときには、口座にその金額を書き込むだけ。
数字を書き込むだけなのでこの時点では現金を必要としない。
銀行B1のバランスシートには、資産として債権(返済される見込みのお金)、負債として銀行預金の同額が計上される。
実際に引き出される現金はそこまで多くないので、通帳上の数字に対して、現金はそこまで必要とされない。
振り込みなどの銀行間取引は相互取引により相殺されるので、実際に動く現金はそこまで多くない。
つまり、銀行貨幣のままで流通していて、通貨はそこまで使われていない。 さらに、中央銀行が市中銀行に資金を貸し出すことがある。中央銀行は通貨発行するだけでよい。
国債より十分安い金利で貸し出せば、銀行は問題なく借りることができる。
ただし自己資本率の問題はある。