紙の音MADについての覚え書き
この記事は音MAD Advent Calendar 2025の7日目の記事です。
音MAD Advent Calendar 2025 - Adventar
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BaN長です。『紙の音MAD』という音MADについての雑誌を作っています。
2025/06/01にCOMITIA152で「創刊号 Vol.0」を頒布しました。
2025/11/23に文学フリマ東京41で「Vol.1 音MADとアーカイブ」を頒布しました。
Vol.0の告知ツイート
@banfuture: 今週末日曜日、6月1日のコミティアに『紙の音MAD』で参加します。
スペースは【お29b】です。
モノクロ(一部カラー)A5/144p、参加者16名です。
創刊号 第0回です。500円です。
ツリーで参加者と寄稿内容をご紹介します。
#コミティア152
Vol.1の告知ツイート
@banfuture: 今週末11/23(日)の #文学フリマ東京41 で新刊『紙の音MAD Vol.1』を出します。1000円です。
スペースは南3・4ホール【さ-63】です。
A5判/156ページで、創刊号より12ページ増えました。
今回の特集は『音MADとアーカイブ』です。
以下ツリーにて、参加者と寄稿内容をご紹介します。
https://pbs.twimg.com/media/G59AggNbQAAYfwj.jpg
そういえば『紙の音MAD』を作り始めた経緯や、どういう意図でやっているのか誰にも説明していなかったので、
覚え書き程度に色々書いておこうと思います。
まず、音MAD作者自身が音MADを主題にして制作した本の前例として、『音MAGAZINE』が記憶に新しいと思います。
@Readybug_: 【おしらせ】
音MADイラスト合同誌「音MAGAZINE」やります!!
6月ごろ開催のイベントにて頒布予定です。
詳細は今後追って発信する予定なので、なにとぞよろしくお願いします!
https://pbs.twimg.com/media/GObRPt2bkAARfZ6.png
@OTOmanager: 【告知】
冬コミにて、音FAを集めた合同誌を頒布します!
#音MAGAZINE2 #C105
https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1854831487964860416/pu/img/NqDIQ2f6_wbiQ9W9.jpg
『音MAGAZINE』は紙の音MADをやろうと思った直接のきっかけだと思います。
「音MADの本って出せるんだ」という発見がありました。
僕が投稿を始めた2014年時点から、「音MADの同人誌」について言及されることはありました。
しかしそれらは、「絵空事」としての突発的な思い付きの域に留まるものであり、それは「リアル会場で音MADを聞く」に類するような、面白そうだが限りなくめんどくさそうなものとして(少なくとも僕は)認識していました。
この時、「クラブで音MAD」はnerdtronics3に至って完膚なきまでに達成されたのに対し、「同人誌で音MAD」はあんまり広がっていないな、と思いました。
音FAというきわめて現代的な界隈の現象を印刷して売るという一連が達成できるならば、かねてより空想されてきた「音MAD作者が音MADのことを書く同人誌」も、まあ実現できるのではないだろうか?と思いました。
ところで、「同人誌で音MAD」の前例が『音MAGAZINE』しか無いかというとそうでもありません。
2019年春のM3で、夜更かしレコーズが『季刊 微睡乙女 2019年春号』を頒布しています。
@42ka4: 今年はCD付き冊子‼️
💿📘𝟰𝟮𝗞𝟰-𝟬𝟬𝟳 微睡乙女📘💿 #M32019 #M3春 #M3
https://t.co/NX1TP5GMD3
@saradisk: 販売中!
https://pbs.twimg.com/media/D5NP8TwUIAAn0GS.jpg
その後、再販など新たに読める手段は用意されていないと思うので、当時買った人しか読めていないと思います。
いまの界隈はこの本の頒布以降に活動を始めた人たちが大半だと思うので、内容はもちろんのこと、そもそも夜更かしレコーズ周辺のことなどもまったく知らなかったという人がいてもおかしくないかなと思います。
音MADをテーマにした小説や漫画、エッセイ、作り方など様々な方向性で書かれていて、「音MADのことが印刷されている!」という素直な驚きと感動があったと記憶しています。
@saradisk: 微睡乙女の中身、今日のはじめてみたけどいい感じ
https://pbs.twimg.com/media/D5NRbmTU4AA1r8o.jpg
『紙の音MAD』を作るにあたって、最初にイメージしたのはこの『季刊 微睡乙女 2019年春号』でした。
音MADの雑誌として、かつて自分が『微睡乙女』で感じたような、音MADを媒介に色々な内容が一緒くたにまとめられている本がこの世にあれば、個人的に嬉しいな、というのが初期の構想であったと思います。
個人的には一緒くたにまとめられているという点が重要で、その点ではPDFなり適当にホストするなりでWEBに掲載される形式でも良かったのですが、印刷されると嬉しいという気持ちを活かして製本に手を出してみることにしました。
音MADのアティテュードを制作過程でも体現しようと考えていたので、既存の商業誌のフォーマットを丸々持ってくることにしました。
お気付きの方もおられるかもしれませんが、青土社から刊行されているユリイカを全面的に参考にしています。
https://scrapbox.io/files/69355dae32a7969fb6767050.pnghttps://scrapbox.io/files/69355dbb3d8d1ec280781e7a.png
通常の寄稿は二段組、インタビューや座談会などは三段組で組版しているのはこれが理由です。
他にも、フォントの大きさ、余白の広さ、リンクの引用記法など、内容に直接関係しない体裁の部分はユリイカをベースにしています。
これは、『紙の音MAD』そのものがユリイカを原曲とした音MADであるという突飛な言い回しをしたいがためにやっていたのですが、現実問題として見た目をどうするか細かく考えなくてもよくなったのは、工数を減らす意味で逆に助かったというのが最終的な印象です。
ユリイカを参照するということは、この本は現在文芸誌の形をとっているということになります。
本来最初にイメージしていた雑誌は、どちらかというとエンタメ誌やホビー誌だったので、毛色が違うところに収まったなというのが現段階の雑感です。
これは、画像やデザインが多用されるような雑誌の誌面を作るのは主に工程の面で素人にはあまりに難しく、文字を載せれば成立する文芸誌は何と言っても作りやすかったというのが最大の理由です。
そういえば情況も参考として上がった記憶があります。これは内容面で、論戦的な対立を構築する際のイメージとして上がったものでした。
新宿の紀伊国屋書店の雑誌コーナーで色々眺めて参考になりそうな雑誌を見繕っていた記憶も蘇ってきました。
『紙の爆弾』という本があって、先達はどの世界にもいるものだな、と思いました。
内容面では、とりあえず自分が文章を読んでみたい人、ビジュアルを見てみたい人を読んで書いてもらうという形を取っています。
やっていて常に脳裏をよぎるのは、デイリーポータルZ反省会のヨシダプロの回で、DPZ編集長の林さんがヨシダプロに初めて貰った原稿を読んで「仕事が上手く回り始める感じ、頼んで予想以上のものが来る感じ」があったと語っていた回です。
https://www.youtube.com/watch?v=UpwIZCocXds&t=159s
すべての記事・ビジュアルでこれを感じるので、責任編集冥利に尽きるなー、と思いながらやれています。
読者投稿コーナーを作りたいというのが目下の構想なので、始まった際には皆様もご参加のほどよろしくお願いします。普通に投稿イベントのようなものだと思って参加してもらえれば嬉しいです。
2冊出した上で、音MAD界隈からの反響は驚くほど少ない(あるにはある)のですが、コミティアでも文学フリマでも一定数その場で手に取って買ってくれた方々がいた印象です。
「音MADって何ですか?」と聞かれたことは2回ありました。
自分なりにこれまで用意してきた回答をして、いまのところ五分五分で買ってくれています。
興味がありそうな人にどこまでこちらから話しかけるかというのも結構考えています。
妙なネット文化なので「音MAD知ってますか?」と距離を詰めるのも危ういし、かといって何もしていないとモナリザとドクロを無言で並べているサークルなので、不気味な感じになっている感じがします。
思うに、我々が音MADの話を初見向けにするのは無理かつ無意味で、音MADと関連付けて語れることの方を喧伝することでフックとして興味を持ってもらうというのがこの本の戦略かなと、Vol.1を出して思いました。
音MAD語りをすると、音MADじゃないもの語りにもなり得るというのが糸口のような気がしています。
最低でも5年は年2回刊行で続けようと思っているので、引き続きよろしくお願いします。
Vol.10まで出すことが当面の目標です。
音MADでできることはまだ沢山あるだろうということを実感する2025年でした。
最後に告知になりますが、ネット通販もだいたい準備できました!下記リンクから買えるようになると思います。
https://otomad.booth.pm
今日BOOTHの倉庫に発送したので、近日中には買えるはず。買ってくれ!