フーリエの一様収束定理は一様収束のための十分条件のみを与えているのか?
フーリエの一様収束定理
周期$ 2Tの関数$ fが区分的に滑らかかつ連続ならば
関数$ fのフーリエ級数の部分和$ S_N(f,t) :=\frac{a_0}{2} +\sum_{n=1}^N a_n \left(\cos \frac{2\pi}{T}t+b_n \sin \frac{2\pi}{T}t\right) は$ fに一様収束する。
考えたこと
フーリエの一様収束定理から
関数$ fが区分的に滑らかかつ連続$ \implies$ S_N(f,t)は$ fに一様収束
が成り立つが、逆は成り立つのか?
結論
逆は成り立たない。
区分的に滑らかでないが、フーリエ級数が一様収束するような関数が存在する。
$ ab>1+ \frac{3}{2}\piを満たすように$ 0<a<1と奇数$ bを選択し
$ P_N(t) :=\sum_{n=1}^N a^n \cos b\pi t とする。
このときWeierstrassのMテストから$ P_Nは一様収束する。
一様収束先の関数を$ w(この関数はWeierstrass関数と呼ばれる)とすると$ P_Nが連続であることから$ wも連続である。
また、$ wは至る所で微分不可能である。(TODO: 微分不可能の証明)
ここで、関数$ wは周期$ 2の周期関数である
$ wの周期$ 2のフーリエ級数展開を考えたいが、
$ \sum_{n=1}^{\infty} a^n\cos b\pi t =\lim_{N\to\infty} P_N(t)がまさにフーリエ級数展開である。
($ \sum_{n=1}^{\infty} a^n\cos b\pi tが一様収束するため、積分と無限和の交換ができる。そのためフーリエ係数を定義に基づいて求めることも可能)
よって関数$ wのフーリエ級数は$ wに一様収束する。
追記
Dirichlet関数のフーリエ級数は$ 0に一様収束する。
これは各点収束定理が成り立っていないがフーリエ級数が(元の関数以外に)一様収束する例
ただしほとんど至る所でDirichlet関数に一様収束している。
ここが参考になるかも?
追記2
よくよく考えると、結局ほとんど至る所での挙動が大事そう、積分を考えているので。