ピンカー『暴力の人類史』
出エジプトやダビデの王国は嘘らしい(p.43)が、なんで学校の山川歴史教科書は聖書ソースの話を事実として書いてあるんだ
暴力がたくさん出てくるので盛り上がります
神話: 中世にはアイアン・メイデンとか恐ろしい拷問器具があったよ
反論: その辺の拷問器具は、実際には中世より後のものだよ
…
鉄の処女/アイアンメイデン(Iron maiden):最初の言及は1793年
苦悩の梨(Pear of anguish):言及は17世紀から
ブレストリッパー(Breast Ripper):1599年から
という感じで、いずれも中世とは言いがたい時代の産物です。
…
補足: 中世と拷問
拷問がどの程度用いられていたかはその時代の裁判制度にも依存します。
実のところ、中世当初はゲルマン的な神明裁判とか決闘裁判が幅を利かせていたので、裁判において拷問はあまり流行ってはいませんでした。
やがてローマ法が復権し、比較的近代的な裁判が普及するに従って、「証拠の女王」たる自白を得るために拷問が多用されていくようになります。
また、拷問は異端審問や近世の魔女裁判等にも多用されました。信仰という内面を扱うタイプの裁判では、物的な証拠は得難く、その分自白が重視されたためです。要するに自白=拷問ですね。この辺はいかにも彼等らしいといいますか。
ドイツ政府はパーカー・ブラザーズ社の領地を奪い合うゲーム「リスク」を検閲しようとして、最終的にルールが書き換えられ、相手の領土を征服ではなく「解放」することになった(p. 68)。
安全保障のジレンマ(の個体版)への対処として報復性が進化(p. 87)
無礼に対しても報復することで、じっさいの攻撃がされたときに勝てることをディスプレイ
ネオテニーは自然選択が攻撃性を減少させるときの基本経路(p.95)
チンパンジーでも、戦闘より襲撃の方が大量の死者を出すことが多い(p.102)
は、世界で、スリランカの、戦争で死んでる分を含めて多くて10万人あたり170人。0.17%。
つまり現代から見ると「1%台」は一番やばい国の約5倍。(現代から見れば) 争いが少なく平穏ではない。
TODO: 狩猟採集時代の暴力性が証拠によって否定されている? 話について追記する
For instance, Steven Pinker (2011, 233) claims that “the idea of basing leadership on inheritance is a recipe for endless wars of succession.”
Few studies have, however, investigated the assumption that autocratic succession increases the risk of war.
The Conquest Theory of the State
アイザイア・バーリン、見たことか!
中世もかなり権利社会だったのでは
Every political office and every legal right was such a property right. Jurisdiction, the right to make law, as well as goods and land -- all was property. Often these rights were appurtenant (i.e. attached to) rights in other kinds of property. For example, the jurisdiction and right to enforce judgments of manorial courts via certain remedies (a subset of the remedies available to royal common law courts) came bundled with tenure to the manor'sland. For example, if the king had granted a land to a lord in fee simple (i.e. perpetual) tenure, that lord would by an appurtenant express grant or sometimes implicitly (by prescription or custom) have jurisdiction over the manor's sub-tenants and villiens (serfs). Jursidiction over market fairs and their participants, and the ability to enforce court judgments by the limited remedy of distraining (attaching) goods in those markets, came bundled with the royal or baronial franchise to operate the market. Even in the 18th century, Blackstone described the entire political structure of England under the legal category of "the rights of persons."
殺人率: 下がる
他の犯罪: 増える
な場合、
他の犯罪の検挙数が上がってる (殺人は基本的に検挙されるので検挙率向上の影響を受けない) 説と、
暴行が死に到る率が医療によって減っている説がある。
なぜ武器の致死性は技術の進歩とともに上がっていないのか? もしかすると、殺すつもりはないで殺すことは多い? (それは傷害致死なのでは?)
後者だとしても、人間が武器より医療にお金を費やした結果だろうから、技術が進歩してるために覆い隠されているが道徳的には悪化しているというやべえ世紀末っぽい状況ということとは限らないが
https://gyazo.com/f5f808b5de42314fa20e8a993d762c46