スペンサー・ヒース『砦、市場、聖餐台』
スペンサー・ヒースは、政府を代替する民営空間 "proprietary community" (私有コミュニティ) の元祖。
https://gyazo.com/d82ed6b2edad8863e97839ca956b66c2
→な、なんだってー
最初の方の章(1~10章)は疑似科学っぽかったので飛ばした。
11. Property the Instrument of Freedom 50
12. Citadel, Market and Altar 55
タイトル回収。砦=政府、市場は市場、聖餐台=(芸術、宗教、科学)。
13. The Social-ization of Government 62
14. Climate and Conquest 65
15. The Tragedy of Public Works 68
政府は悪いという話
16. The Basic Social Pattern 71
→ノルマン侵略以前の自由な封建制( これは後の盲従的封建制と対比される) のアングロサクソン社会について / 家族や部族から個人の財産の社会へ
17. The Order of Societal Evolution 84
部族家族グループ→原始的村社会→初期の自発的封建制→略奪的奴隷国家→盲従的封建制→略奪的政治国家--------崩壊する------> 私有コミュニティサービスによる権威→私有コミュニティサービス権威の世界連盟 (すごいこというね)
社会進化論と関係あるかと思ったけど、漸進的進歩ではぜんぜんなく、悪くなってる段階の方が多い。
18. Public Services by the Community Owners .... 98
19. Societal Development Through Extension of the System of Contract and Exchange 104
PART II THE APPLICATION
Practice
Introduction
20. General Observations on Reduction to
. . . 1 1 The Social Process and Basic Institution
21. Value and Exchange, A System of Social-ized Energy Flow 114
22. Private Property in Land Explained Its Public Administrative Function
Proprietary versus Political Administration ofPublic Services 122
23. The Business of Community Economics
24. Questions for the Consideration of Land Owners
25. The Administration of Real Property as Community Services . .147
. 153 Forecast of General Resttlts
26. Towards the Utopian Dream A Hypothetical Distribution of National Income
. .
Under Proprietary Public Administration. 175
PART III GENERAL SURVEY
Spiritual and Psychological Implications
27. The Qualitative Transformation
28. Mind and the Cosmos
29. Society the Crown of Creation
30. The Inspiration of Beauty
Appendix
人民のための人民によらない政府
〔In a modem hotel community, however, the pattern is plain.〕
しかし、現代のホテルコミュニティでは、その構造は明白である。
それは組織化された共同体であり、警備、水道、排水、暖房、照明・電力、通信、交通といった共通サービス、さらには図書館、音楽・文学の娯楽、プール、庭園、ゴルフ場のような教育・娯楽施設まで備えている。そして、共同体の管理者や従業員による丁寧なサービスが提供される。
住民たちは、これら共同サービスを共同で利用するが、その共同体を共同所有したり、その他いかなる形で所有したりする必要も望みもない。また、その適切かつ効率的な運営について責任を負う必要もない——ただし、その共同体の株式や持分を所有している場合は別である。
共同体全体は、住民によって運営される(by)のではなく、住民のために(for)運営される。
良き振る舞いをすること以外に、住民には、自分たちが受けるサービスについて合意された、あるいは慣習的な料金を支払う以上の義務はない。
そして彼らの支払いは自発的なものであり、課税とは大きく異なる。なぜなら、それは合理的であって恣意的ではなく、慣習と合意、そして市場競争によって制約されているからだ。
所有権に基づく権威(proprietary authority)は、政治的権威とは異なり、人々を保護し奉仕するために、強制したり支配したりする必要はない。
(p. 82)
スペンサーヒースも、ニックスザボも、どちらも中世のイングランドが好きなので、似たことを言う (ローマ的主権国家観の悪口など)
Nothing in history is more certain than that the Teutonic tribes generally had none of the Roman concept of an absolute mystical or transcendental sovereign state. (p.91)
歴史においてこれ以上確実なことはほとんどない。それは、ゲルマン諸部族(Teutonic tribes)が一般に、絶対的で神秘的、あるいは超越的な主権国家という国家主権のローマ的観念をまったく持っていなかった、ということである。
ただし、スザボは1215年のマグナカルタとかを高く評価するのに対し、スペンサー・ヒースは1066年のノルマン侵略以前のイングランドを理想とする。
スペンサー・ヒースのことはseasteandingか何かによるMencius Moldbugのレビューを通して知った