スチュワート・シャピロ『数学を哲学する』
第八章 数は存在する
ゲーデル
クワイン
第九章 いや、それらは存在しない
第一節 虚構主義: フィールド「数なしの科学」
解析幾何学に対するユークリッド流の総合幾何学になぞらえ、フィールドの数なしの力学は総合力学と呼ばれている
Hale 1987 "Abstract object" 抽象的対象と物理的対象の区別について
Shapiro 1983 "Conservativeness and Incompleteness" フィールドの理論内の時空で算術と実解析をシミュレート; これにはフィールドから回答がある: Field "On Conservativeness and Incompleteness"
第二節 様相概念に基づく構成: チャールズ・チハラ
第三節 こうしたことをどのように考えるべきなのか: バージェス(John Burgess)、ローゼン(Gideon Rosen)「対象を持たない主題」
第四節 "補遺: 青年トルコ人"
アッツオーニ Jody Azzouni「形而上学的神話、数学的実践」
仮定系の完結していない族 (open-ended family) p.332
細い指示と太い指示 pp.332-333
バラガー 1998「数学におけるプラトニズムと反プラトニズム」 p.334
混じりけのないプラトニズム(foll-blooded platonism)と虚構主義
バラガーは不可欠性について2つの返答を用意: 1. フィールドの虚構主義と同じ 2. フィクションが現実に何か結論できることを認める
第五章ではフィールドの路線に沿った量子力学の唯名論化 p.304 注3
第十章 構造主義
構造主義の主要な擁護者は、Benacerraf、Hellman, Resnik, Shapiroなど。
Benacerraf ベナセラフのジレンマの人 あと、一意性問題というのも提唱した(ツェロメロの自然数コーディングとノイマンの自然数コーディングでどっちか決められるのかという問題) Shapiro 個々に先立つ構造主義。この本の著者。姉妹本としてPhilosophy of Mathematics: Strucuture and Ontologyがあり、本書の第8-10章の内容を本格的・専門的・に展開したもの(訳者あとがきより)
個々に先立つante rem構造主義 vs. 個々の中にある構造in re主義(構造無しの構造主義、消去的構造主義) vs. 様相構造主義
〈位置イコール対象 / 位置イコール役職〉区別
Hand 1993 "Mathematical Structualism and the Third Man" 位置イコール対象としたときの構造が第三の人間論法にハマるという話 (前提. 自分自身を例化することはない) Dieterle (1994) も構造主義における第三の人間論法について論じてる。Dieterleはこの問題を第三の人間論法の現代的な取り扱いと関連付ける。
構造主義は科学への応用の説明に秀でていそう
第三の人間論法によりZFC上で構造は真クラスとなる
Resnik, M. 1980 "A Structualist's Involvement with Modality" 様相的構造主義で、形而上学的様相に訴えてもダメだということを詳細に論じている Resnik 1992も
McLarty, C 1993 "Numbers Can Be Just What They Have To" 圏論に基づく構造主義を表明している
陰伏的定義が **存在すれば一意に** 構造を特徴づけるのは定義が **カテゴリカル** であるときそのときに限る。陰伏的定義が **何らかの** 構造を特徴づけるのは、定義が **整合的** であるときそのときに限る
理論Tのどんなモデルa, bも同型になるとき、Tはカテゴリカルであるという。これは、二階の算術や、二階の解析が満たす性質。群、体などの代数構造や、一階の算術・解析はみたさない(レーヴェンハイム・スコーレムの定理により)
Haskellの型クラスメソッドの扱いと構造主義における数学的対象の扱いは似てそうだが、型クラスの意味論ってどうやって与えるんだろう
数学的構造とその他の構造の区別の問題。構造のすべての関係が他の対象と関係と論理的語彙のみによって定義できるなら、数学的構造と考えられる。言い換えれば、〈Sは自然数構造を例化する〉という性質がドメインの入れ替えのもとで保存されるとき、その構造は形式的。Ontic Structural Realism における構造はこの制約を満たすだろうか。