カーティス・ヤーヴィンはラディカリストか
「新反動主義」Part. 3 フォーマリズム
ラディカル vs. リベラル軸みたいな (知らない)
(左派内での対立としてしか使わないのでは)
conflict theory vs. mistake theory 軸
Conflict Vs. Mistake | Slate Star Codex
Socialism, Communism and Marxism Pt: 1, on Trust and Trust Surveys : r/slatestarcodex
スコット・アレクザンダーは、SSC Survey Data On Models Of Political Conflict | Slate Star Codex で、conflict theory vs. mistake theoryと、その場で一階の論争的な判断に基づき自身の信じる政治的目的を手段を選ばずに追求するか、論争の余地のある一階の価値判断からは中立的に同意しうる二階の原理原則を守るか、という対比と結びつけている。
例: 政府の役人が法を破って同性婚を認めることの是非
mistake theory の軸は契約論的リベラリズムと似ている (討議を協力と見て、真理を共通の目標として見ているだけで、一般に契約論的リベラリズムと同じではないのでは?あと、win-winな結果を求めるという点で同じでも、mistake theoryは利害が完全に共通だとしている点で単純すぎるのでは?)。conflict theory は極左の共産主義者や、極右のオルタナ右翼に見られる。また、リバタリアンのロスバードも conflict theorist のような気がする。no_bear_so_low氏は新反動主義も conflict theorist だと言っているけど、統計上はそこまでではない。
ここでいう原理原則は、ヤーヴィンの限定戦争としての民主主義という見方における、使用可能な軍事力の制限と対応しそう
Philosophy, et cetera: Procedural Liberalism
ラディカリズムvs. 手続き的リベラリズム
Richard Y Chappell "Naïve Instrumentalism vs Principled Proceduralism"
ポール・ケリー『リベラリズム』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
リベラリズムにとって「手続き」と「平等」が大切な理由(読書メモ:『リベラリズム:リベラルな平等主義を擁護して』) - 道徳的動物日記
二階の不偏主義、ジェームズ・ブキャナンと似てる?
On the disappearance of the centre-right in Canada | In Due Course
中道的 (政府が集合行為問題を解決することで社会厚生を増やす) vs. イデオロギー的 (社会厚生を増やすのではない特定の価値観を達成しようとする)
ヤーヴィンの、民主主義は戦争のようなものだ、という考え自体は、conflict theory的なものだ
ただし、自分自身を戦争の一派閥としてみているわけではない。
一方、James Buchanan だったら、いや、民主主義は交渉のようなものだ、というだろう
ピーター・ティールの民主主義批判はリバタリアンが勝てないからダメ、というものなので自分の陣営が勝てるかによってプロセスを評価している。Will Wilkinson が、ピーター・ティールを (たんに反民主的というだけでなく) illiberal と呼んでいるのはこの辺の事情がありそう?
But if politics is in-principle illegitimate, it was illegitimate before women got the vote, so why bring it up? By bringing it up as a reason why democratic progress is hopeless, Thiel does make it sound like he thinks the problem's not democratic politics per se, but democratic politics without good prospect of producing the right answer. But liberalism starts from the recognition that free and equal people don't agree about the right answer but need to find a way to live together anyway. The secessionist instinct does seem illiberal insofar as it's based in the frustration that reasonable pluralism fails to generate consensus on the right answer — even when the content of the right answer is a radical version of liberalism.
Will Wilkinson on Peter Thiel's Libertarian Democraphobia and Fear of an Ovarian Planet
分離脱退という方法自体はリベラルなものなんじゃないの、という気がするけど
リバタリアニズムに反対する人であっても、どこかにリバタリアンが海上国家を作って実験することから被害を受けるわけではなく、その成功・失敗から学ぶこともできるかもしれない。海上国家を支持するために、リバタリアニズムが絶対に正しいと仮定する必要はない。
また、リバタリアン以外の人も、自分の支持するイデオロギーに基づいた海上国家を作ることができ、それらは邪魔し合うものではない。
ただし、タックスヘイブンという意味では、「被害を受けない」わけではない
もちろん、リバタリアンからすればタックスヘイブンは危害を与えているのではなく、単に利益を与えそこねたのだ、あと、徴税という危害から回避しているだけだ、というだろうが、これは自身のイデオロギーを前提にした回答である
Will Wilkinsonは、リバタリアンの反民主的な傾向に対し、いくつか批判を行ってる:
Will Wilkinson "How Libertarian Democracy Skepticism Infected the American Right - Niskanen Center"
単に民主主義が自分から見て悪い結果を生み出すというだけで、たとえば暴力革命とか、あるいは選挙結果を認めないというようなことに走るとすれば、相手の側も同じように考えられるので、内戦などの誰にも得しない結果になる。
たとえば共産主義者の、民主主義は結局のところブルジョア支配だから革命を起こすしかない、みたいな主張に構造的に近いものと言えるのか
ヤーヴィンの場合は、民主主義は結局報道の支配だということになるけれど
system is rigged
批判理論「学問は白人男性によって行われているため、必然的に西洋中心主義・男性中心主義的なバイアスを備え、結果として白人支配や家父長制に仕えることになる。中立性やブラインドネス、メリトクラシーは事実として成り立っておらず、理想としてもおかしい。明示的にマイノリティを優遇すべき。」
中立性規範が囚人のジレンマなので、すでに相手によって破られている (事実として成り立っていない) ということから、守る必要がない (理想としてもおかしい) と言っている?
お前だって論法
保守派「学問、メディア、官僚組織はリベラル左派によって行われているため、必然的にリベラルエリートに仕えるものになる。中立性は事実として成り立っておらず、理想としてもおかしい。明示的に保守的なメディア等を作り出そう。」
politicisation
マルクス主義「古典派経済学はイデオロギーであり、ブルジョアの階級利益に奉仕する」
暴露論証
ヤーヴィン「気候科学やブランクスレート主義はテクノクラティックな学者が権力を得ることに役立つ。」
「民主主義は事実として成り立っておらず (メディアの支配にすぎない)、理想としてもおかしい。」
What's Wrong with Rawlsekianism? - by Will Wilkinson
The Anti-Majoritarian Mistake - by Will Wilkinson
"ideological constitutionalist"
(本題と関係ないけど) 暗号通貨とか Tor とかでシステム的な自由の保護を実現しようとする (cryptoanarchism, cypherpunk) のも ideological constitutionalism に近い思考だと言えるのかな
暗号技術はasymmetric weapon (Asymmetric Weapons - LessWrong)なのか? それとも、善用も悪用もできるという程度のものなのか?
権力よりは、権力によって取り締まられる側に味方する武器 (それは善い側と同じ意味ではないが)
イデオロギーという言葉がこの文章の中で色々な意味でつかわれていますね?