【新版】日本語の作文技術
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目次
第一章 なぜ作文の「技術」か
第二章 修飾する側とされる側
第三章 修飾の順序
第四章 句読点のうちかた
(1)マル(句点)そのほかの記号 (2)テン(読点)の統辞論 (3)「テンの二大原則」を検証する
第五章 漢字とカナの心理
第六章 助詞の使い方
(1)象は鼻が長い ――題目を表す係助詞「ハ」(2)蛙は腹にはヘソがない ――対照(限定)の係助詞「ハ」(3)来週までに掃除せよ ――マデとマデニ (4)少し脱線するが…… ――接続助詞の「ガ」(5)サルとイヌとネコとがけんかした ――並列の助詞
第七章 段落
第八章 無神経な文章
(1)紋切型 (2)繰り返し (3)自分が笑ってはいけない (4)体言止めの下品さ (5)ルポルタージュの過去形 (6)サボリ敬語
第九章 リズムと文体
(1)文章のリズム (2)文豪たちの場合
あとがき
第三章 修飾の順序
法則1 節を先にし、句をあとにする
NG: 速くライトを消して止まらずに走る
NG: 止まらずにライトを消して速く走る
OK: ライトを消して止まらずに速く走る
法則2 長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。
主従関係などというものは、日本語の作文を考えるとき、百害あって一利なし
法則3 大状況から小状況に、重大なものから重大でないものに
OK 初夏の雨がもえる若葉に豊かな潤いを与えた
NG 豊かな潤いをもえる若葉に初夏の雨が与えた
法則4 親和度(なじみ)の強弱による配置転換
例えば もえる、みどり、わかばの三方は親和度が高い
馬鹿な、わかばなどは低いので比較的に語順の配慮は不要
第四章 句読点のうちかた
符号の中でも決定的に重要で、かつ用法についても論ずべき問題が多いのはテンの場合である
原則1 長い修飾語が2つ以上あるとき、その境界にテンを打つ
原則2 語順が逆順の場合にテンを打つ
NG Aが私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCに紹介した
OK Aが、私がふるえるほど大嫌いなBを私の親友のCに紹介した
テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すものだ私は定義したい
上記のOK例だと、「Aが」を強調するためにアタマにもってきた