転生と記憶
あるとき、僕の記憶の中に別の記憶があることに気が付いた。
自分自身が全く知らない、車やら飛行機やら、知らないはずの言葉、知らないはずの情景が浮かんでくる。
これは、多分、前世の記憶だろう。
そうなっても、僕の日常は特に変わらなかった。
その記憶があることで、何か出来る事が増えたわけでも、何か気持ちが動くわけでもなかった。
僕は王族であり、国の為に、民の為に勉強をし、ゆくゆくは兄を支える必要がある。
その為、全く知らない場所の記憶というものは、価値観の違いもあり、逆に邪魔だと思うこともしばしばあった。
そんな中で、