フラッシュメモリ容量の選択方法
STM32マイコンを使う際に、フラッシュメモリはどの程度必要か。何処で確認できるのか。
STM32マイコンのフラッシュメモリの容量の選び方
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STM32マイコンのフラッシュメモリの容量を選ぶ際には、以下のような要素を考慮する必要があります。
アプリケーションのサイズ
フラッシュメモリは、マイコンに搭載されたプログラムやデータを格納するための領域です。アプリケーションのサイズが大きい場合は、より大きなフラッシュメモリが必要になります。
必要なストレージ容量
アプリケーションに必要なデータを保存するために、フラッシュメモリの一部をストレージとして使うことができます。ストレージ容量が必要な場合は、フラッシュメモリの容量を大きくする必要があります。
プログラムの機能
マイコンのフラッシュメモリには、実行中のプログラムやデータの一時的な保存領域であるRAMとは異なり、プログラムの永続的な保存領域であることが期待されます。そのため、プログラムの機能に合わせたフラッシュメモリの容量が必要です。
予備容量
将来的なアップグレードや変更に対応するために、余分なフラッシュメモリ容量を残しておくことが望ましい場合もあります。
これらの要素を考慮し、必要なフラッシュメモリの容量を決定する必要があります。また、選択したマイコンのフラッシュメモリ容量が、アプリケーションやデータの将来の増加に対応できるように、予備容量を残しておくことが望ましい場合があります。
アプリケーションのサイズはどこで分かりますか。
code:ans
アプリケーションのサイズは、開発中のソフトウェアによって異なります。STM32マイコンの場合、通常はソースコードからコンパイルされたバイナリファイルのサイズを確認することになります。
一般的には、コンパイル時に生成されるバイナリファイルのサイズは、使用されるツールチェーンやコンパイラのオプション、プログラムの構造などによって大きく変化します。また、プログラムが使用する静的データや外部ライブラリのサイズも影響を与えます。
コンパイル時にバイナリファイルのサイズを確認するためには、使用しているツールチェーンやIDEによっては、ビルド時のログに表示されたり、ビルド完了後にサイズを確認できる機能が提供されている場合があります。また、コマンドラインからサイズを確認する方法もあります。例えば、GNUツールチェーンを使用している場合、以下のようなコマンドでバイナリファイルのサイズを確認できます。
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Copy code
$ arm-none-eabi-size <バイナリファイル名>
これにより、プログラムのサイズやデータ、BSS(未初期化変数)領域のサイズが表示されます。STM32マイコンの場合、Flashメモリの容量を決定する際には、プログラムのサイズとデータ領域の合計値を考慮することが一般的です。
AtricTrueStdioでプログラムを出力した場合、アプリケーションのバイナリファイルはどれですか。
code:ans
Arm's Keil MDK-ARM でプログラムをビルドした場合、アプリケーションのバイナリファイルはプロジェクト内の ".axf" ファイルです。
しかし、Atollic TrueSTUDIO for STM32を使用してビルドした場合、アプリケーションのバイナリファイルは通常、 ".elf" ファイルとして出力されます。この ".elf" ファイルには、プログラムのコード、データ、シンボル情報、そしてその他の情報が含まれています。 ".elf" ファイルを使用することで、デバッグ情報の取得やプログラムの解析が容易になります。
ただし、STM32マイコンに書き込むには、 ".elf" ファイルを ".bin" または ".hex" などのバイナリファイルに変換する必要があります。Atollic TrueSTUDIO for STM32には、この変換を自動的に行う機能があります。ビルド時に、".elf" ファイルから".bin"、".hex" などのフォーマットに変換されたバイナリファイルが生成されます。これらのバイナリファイルが、STM32マイコンに書き込むためのファイルです。
F103とF105の違い
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STM32F103とSTM32F105は、STMicroelectronicsが製造するARM Cortex-M3ベースのマイコンです。両者は、共通の特徴を持っていますが、以下の点で異なります。
CPUクロック速度
STM32F103は最大72MHzのCPUクロック速度を持ちますが、STM32F105は最大120MHzのCPUクロック速度を持ちます。STM32F105の方が高速な演算が可能です。
Flashメモリ容量
STM32F103のFlashメモリ容量は64KB〜512KBですが、STM32F105のFlashメモリ容量は256KB〜1MBです。STM32F105の方が大容量のFlashメモリを持っているため、より複雑なアプリケーションを開発することができます。
Ethernet機能
STM32F105にはEthernet MACインターフェースが搭載されていますが、STM32F103にはありません。このため、STM32F105はEthernet接続が必要なアプリケーションに適しています。
USB機能
STM32F105には高速USB2.0フルスピードホストおよびデバイス機能が搭載されていますが、STM32F103にはUSB機能はありません。このため、STM32F105はUSB接続が必要なアプリケーションに適しています。
DMAチャネル数
STM32F105は最大8チャネルのDMAをサポートしていますが、STM32F103は最大7チャネルのDMAをサポートしています。STM32F105は、より高速で多機能なDMA操作が可能です。
以上のように、STM32F103とSTM32F105は、CPUクロック速度、Flashメモリ容量、Ethernet機能、USB機能、DMAチャネル数など、いくつかの機能において異なる特徴を持っています。開発するアプリケーションに応じて、適切なマイコンを選択する必要があります。
STM32F103とSTM32F105の他の機能の違いには、以下のものがあります。
外部インターフェース
STM32F103は、SPI、I2C、USART、CAN、USB(FS)、SDIO、ADC、DACなどの外部インターフェースをサポートしています。一方、STM32F105は、これらに加えて、Ethernet MACインターフェースやUSB(HS)をサポートしています。また、STM32F105は、GPIOの数がSTM32F103よりも多いため、より多様な外部デバイスと接続できます。
電源
STM32F103とSTM32F105は、3.3Vの単一電源で動作しますが、STM32F105はより低い電圧で動作するように設計されています。STM32F105は、1.8V〜3.6Vの範囲で動作することができます。
パッケージ
STM32F103とSTM32F105は、複数のパッケージで提供されていますが、STM32F105はより多くのパッケージが用意されています。また、STM32F105は、より高密度なBGAパッケージもサポートしています。
以上のように、STM32F103とSTM32F105は、外部インターフェース、電源、パッケージなど、いくつかの機能において異なる特徴を持っています。適切なマイコンを選択するには、開発するアプリケーションの要件に応じて、これらの機能を比較する必要があります。
STM32F103に比べてSTM32F105の方が劣っている部分はありますか。
code:ans
STM32F103とSTM32F105は、それぞれ特定のアプリケーションに最適な機能を提供するように設計されています。したがって、どちらのマイコンも優れた機能を持っていますが、いくつかの違いがあります。
STM32F103と比較して、STM32F105にはいくつかの欠点があります。例えば、STM32F105はより高価であり、高品質なEthernet PHYと統合されているため、STMicroelectronicsが認定する特定の供給業者からのPHYチップを使用する必要があります。また、STM32F105はより複雑であり、より多機能であるため、開発にはより高度なスキルが必要になる場合があります。
さらに、STM32F103は、一般的に低消費電力アプリケーションに適しています。これは、STM32F103がより低電圧で動作することができ、より省電力な機能を提供するためです。一方、STM32F105はより高い性能を提供するため、消費電力が高くなる可能性があります。
以上のように、STM32F103とSTM32F105は、それぞれ優れた機能を持っていますが、適切なマイコンを選択するには、開発するアプリケーションの要件に応じて、これらの機能を比較する必要があります。