クリエイト・フォー・パーソナリティ
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以下、引用
用語の定義:C4Q / C4P
本書では、二つの言葉を定義する。
クオリティを目的とした創作を「クリエイト・フォー・クオリティ(Create-for-Quality / C4Q)」と呼ぶ。技術を磨く、結果を出す、他者からの評価を得る。何らかの指標において、より良い状態を目指す態度のことである。 個人性を認識するための創作を「クリエイト・フォー・パーソナリティ(Create-for-Personality / C4P)」と呼ぶ。創作物を、自分の内側にあるものが外に出たアウトプットと捉え、それを手がかりに「自分はこういう人間である」という理解を深める態度のことである。C4Pには外部評価の指標がない。問われるのは、自分の「らしさ」、すなわちパーソナリティをどれだけ把握できているかだけである。 はじめに
ここ数年、創作との向き合い方について考えてきたことを、なるべく人に伝わる形で書き残しておきたいと思い始めた。自分なりに整理するため、上の二つの言葉を定義するところから始めた。 C4Q自体は素晴らしい。技術を磨き、結果を追求し、その優劣から逃げずに向き合う態度である。問題は、C4Qの論理が内面化されすぎたときに起こる。「売れていないアーティスト活動に意味はない」「プロになれないのに続けて何になるんですか」といった考え方は、クオリティの指標でしか創作の意義を測れなくなった状態の表れである。本書が提示したいのは、クオリティの向上が創作の唯一の目的であるという前提を疑い、別の軸で創作を捉える視点である。 C4QとC4Pは独立した概念であり、どちらか一方だけをやる人は稀である。多くの創作者は両方を同時に追っている。ただし、この二つは緊張関係にありうる。市場が求めるものに合わせた結果、自分の気持ちと反する方向に進んでしまうことがある。C4Q側の圧力がC4P側に干渉している状態である。本書が繰り返し立ち戻るのは、この干渉の構造についてである。 自分は、このC4Pの比重を今よりもう少しだけ増やすことで、人生をより豊かにできると考え、その実践に注力している。本書『クリエイト・フォー・パーソナリティ』は、その考えと、そこへ至るまでの経緯を綴ったエッセイ集である。