エピローグ
用語
OTC
オーバーチューリングクリーチャー
基底宇宙の現実解像度を上げて人類を滅ぼした
退転
OTCのせいで「現実」で生存不可能になった人類が別の宇宙に逃げ延びたこと
複数の宇宙がある
テラ(地球)にあるイザナミシステムによって実現されている
スマートマテリアル
OTCの残骸
超法則の物質
なんでもできる(本当に)
唯一OTCに対抗できる手段
インターフェース
他者と相対するとき、素の自分に被せる形で用いる
自身の主体(=意識)と相手との仲介を行う
相手に見せたいような自分にカスタマイズ可能
容姿や人格を完全に再現し変装として利用
仕事や会話を丸投げ
インターフェースなしでは立ち行かない宇宙もある
南緒: 自身の言葉や振る舞いもインターフェースの一種ではないか
身振り、表情、言葉などは作中のテクノロジーとしてのインターフェースと同義である
自然言語はヒト(ヒトの意識)というシステム間で情報を伝達するためのインターフェースと言える
私たちは相手が何を考えているかについて、基本的に言葉でしか知りようがない
直接知覚したり伝達したりできない主体に代わって言葉で伝達されるそれは、自己が認識する自己像の一部
エージェント
自律し擬人化されたインターフェース
使用者から独立
チューリング・テストを突破するため人類との区別は全くつかない
哲学的ゾンビ
データダブル
衆人観衆あらゆる他人からみた人物Xのイメージから独立・自走した存在
主体の実態とイメージには必ず乖離がある
概念としては全人類がデータダブルを持つ
女小説家のデータダブル: 自己と呼ばれるものもデータダブルである
ヒトが自己を認識する認知機構を有する以上、それはデータダブルである
自己認識によるデータダブル、他者の各認識に対応するデータダブル、集団的認識によるデータダブルなど
我々の意識は主体を完全に捉えることができない
非連続殺人事件
複数の宇宙間で発生する連続殺人事件
具体例:
データの保存領域が足りない宇宙で一生殺人事件が繰り返される
RPG宇宙で@の死体が発生
女作家がデータダブルに殺される
非殺人
大抵の場合、事件内容が数理的に法則を超越するため人類未踏事件になる
アルフレッド・$ x・$ xに任意の姓を代入
アルフレッド・代入する値に制限はなく・名前単体で詳細なアイデンティティを記述可能・動作や思考までも名前に含めることができる・「名前を知っている」という事実だけで・彼の一挙手一投足を・知ることができる氏
解釈
ヒトの脳は感覚器官を介して受けとった入力に対し行動を出力する装置にすぎず、意識はI/Oの過程に生じる幻覚に過ぎない(前提)
SFガジェットにカモフラージュされたフィクション論
OTCとは私たち物語の読者のことで、「想起」によって物語世界を拡張している
「宇宙の増築工事」「法則の継ぎだし」「(OTCに高解像度化された)現実の美しさ」などの作中の発言は、単なる情報にすぎない物語が、読者の想像によって意味を与えられることのメタファー
物語の後半に適当なデータから物語を見出す、無限の猿定理のようなマシンが登場する
これがイザナミシステムの正体かも(これもカモフラージュかも)