恵比寿映像祭
Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions
「写真」を映像として取り扱っているフェスティバルは珍しいが、これは、主催が東京都写真美術館であることに起因している。また、展示・上映作品は公募によらず、コンペティション形式でもないために、全体として企画展の性格が強い。第1回のテーマが「オルタナティヴ・ヴィジョンズ “映像の新次元”」であったように、全体的なテーマは毎年存在するものの、各上映プログラムごとに個別のゲスト・キュレーターを配置しているために、それぞれの領域のコンテクストの深さを保ったまま、領域横断的な全体構成を可能としているなどプログラム構成に工夫が見られる。以上のように、他の国内映画祭がフォローできない部分を補うような、ユニークなイヴェントとなっているといえよう。 著者:阪本裕文