ホワイト・キューブ
White Cube
かつては王侯貴族や宗教者が富や権力の象徴としてコレクションを邸宅内のギャラリーや宗教空間に展示したが、近代社会の到来とともにコレクター層が変化し、美術作品の社会的なあり方や作品そのものも変化した。公共性に支えられた近代の美術館制度が制度としての「美術」を存続させるためには中立性を担保する象徴的空間が必要であり、何もない空間ゆえの可変性と柔軟性を特徴とするのは、近代美術が鑑賞体験の純粋性を追及したゆえである。 参考文献
『世界の建築美術館・ギャラリー』,TN Prove,TN Prove、大林組,1996
『美術館はどこへ? ミュージアムの過去・現在・未来』,暮沢剛巳,廣済堂出版,2002
著者:松本晴子