ハードウェア・ハッキング
Hardware Hacking
ハッキングが一般的にはコンピュータのソフトウェアを対象とするのに対して、スコット・フラムは電子機器を中心とする既存の機器を改造して、機能を向上させたり、その機器に本来なかった機能を生みだしたりする実践をハードウェア・ハッキングと呼んでいる。一方、ニコラス・コリンズは電子工学の専門知識を前提としないDIY電子工作をハードウェア・ハッキングと呼ぶ。両者の定義には共通点も相違点もあるが、ここでは現代芸術をより参照する後者を詳述する。 コリンズがハードウェア・ハッキングの文化的性格として強調するのは、電子音楽における作曲家と技術者の分離の解消や、デジタル化によって減退した直接性と接触性の回復などである。
参考文献
『ハードウェアハッキング大作戦』,スコット・フラム(エディックス訳),オライリー・ジャパン,2004
『Handmade Electronic Music 手作り電子機器から生まれる音と音楽』,ニコラス・コリンズ(久保田晃弘監訳、船田巧訳),オライリー・ジャパン,2013
著者:金子智太郎