コンセプチュアル・アート
Conceptual Art
アイデアやコンセプトを作品の中心的な構成要素とする動向のこと。
1961
年に
ヘンリー・フリント
により、「
コンセプト・アート
」という名称が初めて使用された。その概念を確定的なものにしたのは、
『アートフォーラム』
誌に掲載された
ソル・ルウィット
のエッセイ
「コンセプチュアル・アートに関する断章」
(
1967
)である。「
概念芸術
」とも訳されるように、作品の概念や観念的側面を重視するため、言語はもっとも重要な媒体になりうるものであり、批評家の
ルーシー・リパード
はこの傾向を「芸術作品の非物質化」とも定義している。従来の芸術ジャンルの物理的属性に依拠しないという意味では、芸術作品の
唯一性
や
一回性
、商業化などへの否定的見解を伴うものであり、特に複製可能で容易かつ迅速に流通しうる印刷媒体などの活用によって意図されていたのは、物質と流通の双方から従来の美術(制度)の改革を行なうことだった。そのため、
1960年代
後半から
1970年代
を中心に展開したコンセプチュアル・アートでは、
写真
、
郵便
、
ファックス
、
電話
などの流通・
情報メディア
が頻繁に用いられた。
参考文献
『アートフォーラム』,「コンセプチャル・アートに関する断章」,ソル・ルウィット,1967
Artforum Vol.5,no.10,”Paragraphs on Conceptual Art”,Sol Lewitt,1967
著者:沢山遼