『アイコニック・ビルディング』チャールズ・ジェンクス
The Iconic Building, Charles Jencks
チャールズ・ジェンクスは著書『The Iconic Building』(2005)において、1990年代以降に世界各地で相次ぐ、グローバル資本と結びついた、スター・アーキテク卜の設計による著しく人目を引くデザインの建築物を「アイコニック・ビルディング(アイコン的建築)」と名付けた。 不動産業界の利潤追求姿勢や建築家の度を超えたエゴにより加速されるアイコニック・ビルディングは、その特異なデザインにより、世界中のマスメディアに取り上げられ、論争を巻き起こすことで、即効的な知名度を得る。ジェンクスによれば、このようなアイコニック・ビルディングには、これまでの建築の評価方法は適用できず、本書でその本質を、「謎めいたシニフィアン」という言葉で表現している。
参考文献
The Iconic Building,Charles Jencks,Rizzoli,2005
『10+1』No.49,「『批判的工学主義』のミッションとは何ですか?3 歴史・メディア編」,南後由和,INAX出版,2007
著者:有山宙