「ピクチャーズ」展
“Pictures”
ポストモダニズムの美術において顕著になった表象批判的な傾向をいち早く取り上げた企画である。傾向としては主に映像や写真を使用する作家たちによって構成されているが、クリンプによれば、ポストモダニズムの実践はもはや特定の「メディウム」に拘るものではなくなり、諸々の「活動的」な次元へと解体される。そのため動詞的・名詞的にさまざまな含意のある「picture」という語の複数形が、固有のジャンルに帰属しない「非特定的」な概念として取り上げられた。クリンプは、1970年代の若手作家たちのパフォーマンスや写真作品などが用いる「演劇的」(マイケル・フリード)な傾向に注目し、彼らの戦略的な装いは、表象の文化的・歴史的・制度的な側面に対する問題提起であると考えた。 参考文献
October,no.8,“Pictures”,Douglas Crimp,MIT Press
October,no.15,“The Photographic Activity of Postmodernism”,Douglas Crimp,MIT Press
著者:沢山遼