日本宣伝美術会
Japan Advertising Artists Club
通称「日宣美」、略称JAAC。
1938
年に結成された「
広告作家懇話会
」メンバーが、デザイナーの職能団体として「
東京広告作家クラブ
」を設立。その年に各企業の有力デザイナーに呼びかけ、
1951
年、「日本宣伝美術会」が設立され、
原弘
、
山名文夫
、
新井静一郎
、
亀倉雄策
、
河野鷹思
ら約50名によってスタートした。
以後、大阪、名古屋ほか全国主要都市で毎年展覧会を開催し、
1953
年からは作品公募を開始、新人の登竜門となる。
国際デザイン会議
への参加など、海外との交流も活発に行なった。日宣美は戦後最初の全国的な広がりを持ったグラフィック・デザイナーの職能団体として設立されたが、徐々に権威を増していく。
1970
年、
学生運動
の高まりにしたがい、「
革命的デザイナー同盟
」「
美共闘
」など、日宣美粉砕共闘の批判運動にさらされ、展覧会の中止を余儀なくされ解散。東京・名古屋・大阪の三都市で、大々的に解散展が開催された。
日本
グラフィックデザイン
運動の一翼を担った団体であり、
デザイン
史に残る多くの名作を世に送りだした。
執筆者:紫牟田伸子