実験工房
Jikken-kobo
具体美術協会(1954年結成)をはじめとする芸術団体による活動が隆盛する以前の51年9月に東京で発足した。同年11月16日にはピカソ展の関連イヴェントとして日比谷公会堂で創作バレエ『生きる悦び』を発表、これが実験工房の第1回発表会とされている。 メンバーが海外の芸術家との交流が深かったこともあり、欧米の前衛芸術の動きをいち早く日本に紹介したほか、新しいテクノロジーを自らの制作に取り入れようとする姿勢、アカデミズムを否定した自由で実験的な活動など、日本の戦後の前衛美術、現代音楽の黎明期を語るうえで重要なグループである。 参考文献
『コレクション滝口修造7 実験工房・アンデパンダン』,滝口修造,みすず書房,1992
『実験工房と瀧口修造』,佐谷画廊,1991
「1953年、ライトアップ 新しい戦後美術像が見えて来た」展カタログ,目黒美術館,1996
著者:栗栖智美