『フラッシュ・アート』
Flash Art(伊)/Flash Art International(英)
隔月発刊の美術雑誌。現在はイタリア語版『フラッシュ・アート・イタリア』と国際版『フラッシュ・アート・インターナショナル』がある。欧米における現代美術の最新情報や展覧会評、ギャラリー評、作家へのインタヴューや特集記事を掲載。本誌は美術批評家ジャンカルロ・ポリティが1967年にローマで創刊し1971年以降はミラノに本拠を置く。初期はタブロイド版のジャーナル形式を採用したが1974年から雑誌形態に移行。
1967年に掲載した美術史家ジェルマーノ・チェラントの「NOTES FOR A GUERRILLA WAR」を皮切りに、アルテ・ポーヴェラやトランス・アヴァンギャルディアなど国内の新しい動向をいち早く支持した。1970年代に入るとコンセプチュアルアートやミニマリズム、国外の芸術の動向まで幅広く取り上げはじめる。アーティストの雑誌作りへの参加やドクメンタVとの連動企画など新たな試みを行なう。1979年からは国内向けイタリア語版『フラッシュ・アート・イタリア』と英語版『フラッシュ・アート・インターナショナル』の2誌に分かれ、後者は編集機能の一部を1980年からニューヨークに置きリアルタイムに国際的な動向を発信している。またジル・ドゥルーズ、ジャン=フランソワ・リオタール、フェリックス・ガタリ、ジュリア・クリステヴァ、ジャン・ボードリヤール、ポール・ヴィリリオら思想家による美術評を掲載。現在まで世界の美術の現場のみならず市場や批評に対して影響力をもつ。
参考文献
Arte Povera: Storia e Storie,Germano Celant,Mondadori Electa,2011
著者:松本晴子