見捨てられ不安
見捨てられ不安は、周りの人間から自分が見放されるのではないかということに対する強い不安を抱えていることをいいます。これは主に境界性パーソナリティ障害を考える際に使われてきた概念です。境界性パーソナリティー障害には、見捨てられ不安による感情に駆られて、逸脱や自傷、支配など極端な手段を使ってでも相手に見放されないようにする傾向が見られます。また、パーソナリティー障害の診断がつかなくても、うつ病や不安障害と診断された人に見捨てられ不安の傾向が見られる場合があります。 見捨てられ不安を抱える親に見られる傾向として、子どもに「見捨てられ不安」を持たせることによって、自分を安心させようとする負の構造が見られます。子どもは親がいなかったら何もできないということを示すために虐待やネグレクト、あるいはそれに類する支配関係を生みやすくなります。これが見捨てられ不安の連鎖です。 子供は、親から「見捨てられる不安」を持つ。
そして、子供はその不安ゆえに親への憎しみを抑えて「良い子」を演じる。
その結果、子供は生きることそのものが不安になる。
つまり、周囲の世界を脅威に感じてくる。
自分の人生になにか良くないことが起きるのではないかと恐れるようになる。
そして、この恐れこそ、人をいつまでも依存的にしておく原因であろう。 (中略)
子供の不安の発生原因の一つは、「あなたが良い子でなければ愛さない」という親の脅しである。それは子供にとってたしかに脅しである。
脅されれば、見捨てられないかと不安になり、従順になる。