若し或る名作家を択んだら彼の全集を読め
ある名作家の全作品、書簡、日記の隅々までさぐることではじめて、その作家がたった一つの思想を表現するためにどれほど多くのことを書かずに捨てたかを合点する。
なんでもかんでもやってきた人、知っていた人だということを合点する。
その作家に世間が貼ったレッテルや、文学史家が語るその作家の性格とは似ても似つかない豊富な人間に我々は出会う。