細君譲渡事件
結局、1926年(大正15年)に佐藤と谷崎は和解、1930年(昭和5年)、千代子は谷崎と離婚し、佐藤と再婚した。このとき、3人連名の「……我等三人はこの度合議をもって、千代は潤一郎と離別致し、春夫と結婚致す事と相成り、……素より双方交際の儀は従前の通りにつき、右御諒承の上、一層の御厚誼を賜り度く、いずれ相当仲人を立て、御披露に及ぶべく候えども、取あえず寸楮を以て、御通知申し上げ候……」との声明文を発表したことで「細君譲渡事件」として世の話題になった。
谷崎は千代子と離婚し、20歳下の古川丁未子と結婚。また佐藤春夫は千代子と再婚した。
このとき、「私たち3人は相談し、千代は谷崎と離婚し佐藤春夫と再婚することにしました。だけど、谷崎と佐藤はこれからも仲良しでやっていくんで、その辺よろしくお願いします。いずれ仲介人を立てて正式発表しますが、とりあえず先に言っときます」というような上記引用の声明文を発表し、「細君譲渡事件」として世間に知られるようになった。