簡帛
音読みでは かんぱく と読む。
「簡帛」は、簡牘と帛書とを略した呼び方です。●帛書とは帛に書かれた書物を言い、簡牘とはまた竹簡、木簡と木牘の総称です。簡は、比較的細い竹もしくは木の札のこと、牘は簡より幅の大きい札を指します。●簡帛に書かれている文字資料には「古書」と「文書」があります。●「古書」とは先秦時代の書籍で儒家、法家等の著作です。長文が多く、これを収めるための工夫の一つは、細い竹簡を数多く並べ、紐で結んで巻物状にする書物―「冊書」です。 冊書はかさ張り、保管と携帯に不便で、紐が切れることもあります。伝来の古文献において文章の順序が入れ替わり、そのままでは読み通せない場合があります。 多くは、ばらばらになった冊書を整理する時、簡を錯って並べた―「錯簡」に起因します。これを回避するためか、すでに戦国時代に、著作は大きな正方形の帛に書かれました。 一枚で相当な文字数を収められ、その上に絵を描くことも可能でしたが、極めて高価であることが難点でした。●「文書」とは行政文書です。現在発見されている先秦の文書は、すべて簡牘を用いています。