箱男とエロス
生理的に訴えかける筆致、ということを書いてますね。性的な描写だけではなく、箱の中の湿度の高い暑さや雨の濡れとか皮膚の垢とか
(正直安部公房さんとは性癖は合わないなと感じて興奮はできなかった)
そう!箱男ばっちいんですよ!それが気になった。
というか箱男のなかに好感をもてる登場人物がいない。
箱男に関心を持つ葉子は覗かれ専門の露出狂みたいなところがあって、正直えっちぃですね…そういう特殊な女性が箱男に惹かれるんだろうなぁ。
脚へのこだわり
序盤から女性の魅力的な脚について延々と書いている。
谷崎との関連? 脚描写の比較をしたら面白いかもしれない。
箱男は視線が低いから人の脚をよく見る。安部公房は脚フェチ?P74、75、「箱暮しをしていると、もっぱら下半身で人間を観察するようになるので、脚には詳しいのだ。」、以下、この部分に男性と女性の脚の違い、箱男の脚の理想像が説明される。
P196 下から~
側溝に入って覗きをした人を思い出した。
露出症について。P118~
脚にこだわるっていうの、下を見るからじゃなくて脚は箱では隠せないからじゃないかとおもった。
自分が足元に不安があるから他人の足に気が向くというか、もしかしたら逆かもしれないですが。箱男にとって足が一番、見られる部位であって、それが意識の隅にあり続けるとだんだん人間の足に目が向くみたいなね。
視点が低いからと考えることもできるかも?
箱男は適切な場所を決めたら座ってる気がする。ただ、直立して歩くためにドンゴロスによる固定云々の話が出てるんだと思ってましたね。そう、屈んで歩くと天井が水平にならず内部の収納に影響する。
Dと女教師
あれ最後鍵投げたの、あの女教師もあの関係にハマッてまた来いよって意味でしょ。
正直Dの話は好きですね。女教師が直接見るんじゃなくて鍵穴の向こうにいるのがいい。