相手の意見を尊重する
意見の尊重は意見をちゃんと考慮に入れることであって意見内容の肯定ではない久住哲.icon 例えば、AさんがBさんに対して「Cさんがさっき言ったことも考えてください」と言うとき
この要請はCさん個人のみに対して向けられているわけではない。
その場の話し合いで共有されるべき規範をその要請は提示している。
それを言ったBさんも、「自分でもそう言ったんだから」そのCさんの意見を考えるべきである
「考慮」を「議論」と言い換えてもいい久住哲.icon
考慮は意味の系列
ある意見の解釈はそれ自体別な意見であり、この別な意見にまた別な意見が連なる
https://gyazo.com/9e03c0581dcad5d37aef56b52c7f5e3b
「ちゃんと」というのは真剣に受け止めるということ
意見の系列への組み込み方が侮蔑的であればそれは尊重ではない
考慮は真剣である必要がある久住哲.icon
意見の尊重において考慮というものは前提とされる
「真剣」な考慮は、考慮の果てにある実行内容を実際に決定する
結論を規定しない考慮は戯言であり真剣ではない久住哲.icon
意見の真剣な考慮は、それらの意見を結論決定に関わるものとして見ること久住哲.icon
意見の尊重は〈思考系列内に位置を占めることの肯定〉であって、〈意見の内容の肯定〉ではない久住哲.icon 考慮ないし議論ないし話し合いの意見の系列に、意見を組み込むことが意見の尊重久住哲.icon 「相手の意見を無視する」ことは相手の意見の尊重ではない
相手の意見を考慮に入れた上で「取るに足らない」と評価する場合もある
議論上で、ある意見に対して「この意見は無視するべきだ」という意見を繋げる場合はある
「この意見は却下しましょう」というコンセンサスが得られる場合は全然ある
意見の尊重は無条件で与えられるものではなくその人が受けている評価にもよる
とりあえず最初のうちは意見を尊重されることが多い
「君はまだ子供だから」→子供の意見は考慮に入れない、等
「あなたはもう年寄りだから」→年寄りからの非難は本気にしない、等
「これは男の問題だから」→女性を議論の場に参加させない、等
無視するべき意見ばかり言う人はやがて「この人と話していてもしかたがない」と評価される
この場合、その人自体が尊重されなくなる
その人の個々の意見が尊重されないばかりではない
そもそもその人の発言が「その人が言ったから」という理由で考慮されなくなる